高塔山

高塔山（たかとうやま）

福岡県北九州市若松区にある標高124mの山、高塔山。その山頂付近に広がる高塔山公園は、若戸大橋や洞海湾、若松、戸畑、小倉、八幡東の各市街地を一望できる絶景スポットとして知られています。この山は、若松出身の作家・火野葦平が愛した場所であり、彼の作品にも度々登場します。

歴史

高塔山は、慶長年間に麻生氏の出城として築かれ、家臣の大庭隠岐守種景が守っていました。明治時代末期まで、山頂の平地周辺には濠の跡が残っていました。山頂の北側には、大庭隠岐守種景の碑が建てられています。1958年から1970年にかけては、山頂までロープウェイが運行されていました。1962年には、若戸大橋完成記念産業・観光と宇宙大博覧会（若戸博）の会場としても利用されました。

周辺施設

高塔山公園

1942年4月に開設された、18ヘクタールの広さを誇る公園です。若戸渡船・若松渡場から徒歩約30分で気軽にアクセスできます。昭和初期まではうっそうとした山でしたが、1939年から整備が開始され、第二次世界大戦中は軍の陣地として高射砲台が置かれていました。戦後、1952年から整備が再開され、野外音楽堂やロープウェイが設置されました。1962年には、若戸博の若松会場となり、約140万人が来場しました。現在では、若戸大橋や響灘の絶景が楽しめるほか、7万本以上のアジサイや桜、万葉の草木など、四季折々の自然が満喫できる市民の憩いの場となっています。

高塔山展望台

山頂に位置する展望台からは、響灘、若戸大橋、藍島、馬島、白島、そして晴れた日には関門橋まで見渡せる大パノラマが広がります。夜景は2013年に日本夜景遺産に認定されています。

北九州プレミアム夜景フェス

高塔山では、美しい夜景を楽しむためのイベントが開催されることがあります。

野外音楽堂

山頂近くには野外ステージと観客席があり、シーナ＆ロケッツが発起人となった「高塔山ロックフェス」が開催されることで有名です。

芝生広場

展望台のそばには、広々とした芝生広場があり、ピクニックなどを楽しむことができます。

火野葦平文学碑

若松出身の作家、火野葦平の文学碑があります。碑の下には、原稿、筆記具、へその緒などが埋められています。

万葉植物園

万葉集に登場する植物を集めた植物園です。植物には代表歌が書かれた木札が立てられており、歌と植物を同時に楽しむことができます。

吉田磯吉像

地域の発展に尽力した吉田磯吉の像が設置されています。

虚空蔵菩薩（河童封じの地蔵尊）

展望台の横にあるコンクリート堂には、背中に釘が刺さった虚空蔵菩薩が祀られています。河童封じの地蔵として知られ、火野葦平の小説『石と釘』で有名になりました。この地蔵は、かつて夜な夜な現れては空中で戦いを繰り広げ、人々を困らせていた河童を、山伏が祈祷の末に地蔵の背に釘を打ち込み封じ込めたという伝説に基づいています。毎年7月下旬には、「河童まつり」「火まつり」が開催されます。

県木の森

日本全国の県木を集めた森です。日本地図の形をした花壇の中に、各県の木が植えられています。

野鳥の森

メジロ、ホオジロ、カワラヒワなど、様々な野鳥が生息しています。

仏舎利塔

1957年に釈尊入滅2500年を記念して、インドのネール首相から贈られた仏舎利を祀る塔です。ここから玄海遊歩道が始まり、石峰山地の尾根を経て、響灘緑地へと続いています。

行事

若松あじさい祭り

毎年5月下旬から6月中旬にかけて開催される祭りです。高塔山全体で約74,300株（2023年）のアジサイが咲き誇り、多くの人々が訪れます。メインイベントの期間中は無料シャトルバスも運行されます。

火祭り

若松の夏祭りで、毎年7月20日頃に開催されます。市民がタイマツ行列を作り、高塔山山頂の河童封じの地蔵尊を目指して登る様子は壮観です。この祭りは、火野葦平の呼びかけによって始まりました。

アクセス

JR筑豊本線若松駅から徒歩約23分（1.9km）
JR鹿児島本線戸畑駅から北九州市営バス7・9・10系統に乗車、「大橋通り」下車、徒歩約20分（1.6km）
マイカーの場合、若戸大橋若松口から1.4km
駐車場：3か所合計146台

ギャラリー

（画像や動画はここでは省略）

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