高士廉

高士廉（こうしれん）

高士廉は、中国の隋から唐代にかけて活躍した重要な官僚及び武将であり、その名は歴史に強く刻まれています。彼は武平7年（576年）に生まれ、貞観21年1月5日（647年2月14日）にこの世を去りました。士廉という名前が広く知られていますが、実際の名は倹で、士廉は彼の字です。彼の故郷は渤海郡蓨県であり、唐の時代には凌煙閣二十四功臣の一人としてその功績が称えられました。

経歴の概要

高士廉は北斉の有力な王族の子として生まれました。彼の父は清河王高岳、母は楽安王高勱です。士廉は幼いころから優れた知性と性格を持ち合わせ、外見はまるで絵に描いたように美しく、書を一度見ただけで覚えてしまうという才能があったとされています。彼は隋の時代においても友人と多く交流し、その名声を広めました。

しかし、北斉の宗室ながらも士廉は華やかな交友関係を避け、静かに終南山のふもとで生活していました。その後、吏部侍郎の高構の勧めで公務に就き、隋の仁寿年間において文才甲科に合格し、治礼郎の職に任命されました。妹が長孫晟に嫁いだことから、彼は孤児となった甥を引き取るなど、家族を大切にする一面も見せました。

野望を抱いていたとされる彼は、隋末の動乱の中で、一度交趾郡の朱䳒県主簿に左遷されてしまいます。その際、母が高齢だったため、妻に母の世話をお願いして赴任しました。隋の混乱が続く中、交趾郡の太守に召還された士廉は、司法書佐として新たな職務を担い、地元の反乱を鎮圧しました。

唐の時代への移行

隋の滅亡後、李淵が唐を創建した際に、高士廉は彼に仕官し、秦王李世民の側近として重要な役割を果たしました。武徳5年（622年）に唐に降伏し、李世民の治中として重用されるようになります。彼は武徳9年（626年）に李建成との争いに関与し、玄武門の変では李世民の援軍として戦闘を指揮しました。この戦いでの彼の貢献により、李世民が皇太子となると、士廉は太子右庶子に任命され、その後も様々な重要ポストを歴任しました。

貞観元年（627年）には侍中に昇進し、義興郡公に封じられます。彼は益州の地で教育機関を復興し、灌漑システムの整備にも尽力しました。その功績により地域社会に貢献しました。

その後、高士廉は重職をいくつも歴任し、貞観5年（631年）には吏部尚書、貞観9年（635年）には司空に就任しました。徐々に昇進を繰り返し、貞観12年（638年）には申国公に封じられます。彼は政治の発展に貢献し続けましたが、貞観16年（642年）には隠退を望むようになりました。しかし、政治から完全には離れることはありませんでした。貞観18年（644年）には高句麗攻撃の際に皇太子を補佐し、最後には貞観20年（646年）に長安に戻る途中で病に倒れました。

最期と遺産

貞観21年（647年）1月に長安で亡くなった高士廉は、後に司徒として追贈され、文献と評判されました。高宗李治が即位した際には、さらに太尉の位が加えられました。士廉は六人の子を残したことでも知られ、その中の高履行、高至行、高純行、高真行、高審行、高慎行は名を馳せています。高士廉の人生は、唐の初期の歴史を彩る重要な部分を形成しています。

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