高崎俊夫

高崎俊夫（たかさき としお）は、1954年生まれの編集者、フリーライター、映画評論家です。福島県出身で、映画、文学、美術など幅広い分野で活躍しています。

編集者としてのキャリアは、「スターログ」編集部から始まり、「月刊イメージフォーラム」編集部、美術雑誌「一枚の繪」編集部、ビデオ業界誌『AVストア』の編集長を経て、フリーランスの編集者として独立しました。主に映画関連の書籍の編集を手がけ、その豊富な知識と深い洞察力で、多くの映画ファンから支持されています。

執筆活動も精力的に行っており、「キネマ旬報」「CDジャーナル」「ジャズ批評」などの雑誌に寄稿しています。映画評論だけでなく、インタビュー記事も執筆しており、その対象は映画監督や俳優など多岐にわたります。また、自身の著書として『祝祭の日々: 私の映画アトランダム』を刊行しています。この著書では、高崎氏独自の視点から映画に対する深い愛情が綴られています。

主な編著書としては、ロバート・アルトマンやジョン・ヒューストンといった映画監督の評伝、山崎忠昭や中条省平といった映画評論家の著作、また、花田清輝や武田泰淳など文学者の映画に関するエッセイ集など多岐にわたります。これらの書籍を通して、高崎氏の映画に対する造詣の深さが伺えます。特に、虫明亜呂無の著作を複数手掛けており、その復刊にも尽力しています。また、大島渚や芦川いづみといった映画史に名を残す人物に関する書籍も編集しており、その仕事は映画史研究においても重要な貢献をしています。

さらに、高崎氏はインタビュアーとしても活躍しており、東京フィルメックスで来日した映画監督ニン・インへのインタビューや、『文學界』での荒木一郎へのインタビューなど、貴重な証言を引き出しています。これらのインタビューは、映画や文学の世界をより深く理解するための貴重な資料となっています。

高崎俊夫は、編集者、フリーライター、映画評論家として、長年にわたり日本の映画文化の発展に貢献してきた人物です。その活動は、映画ファンだけでなく、広く文学や美術に関心のある人々からも注目されています。


主な編著書（一部）

ロバート・アルトマン、デヴィッド・トンプソン／川口敦子訳『ロバート・アルトマン わが映画、わが人生』（キネマ旬報社）
山崎忠昭『日活アクション無頼帖』（ワイズ出版）
中条省平『中条省平の秘かな愉しみ』（清流出版）
中条省平『中条省平は二度死ぬ！』（清流出版）
ジョン・ヒューストン／宮本高晴訳『王になろうとした男 ジョン・ヒューストン』（清流出版）
三谷礼二『オペラとシネマの誘惑』（清流出版）
花田清輝『ものみな映画で終わる 花田清輝映画論集』（清流出版）
武田泰淳『タデ食う虫と作家の眼 武田泰淳の映画バラエティ・ブック』（清流出版）
菊池寛『昭和モダニズムを牽引した男 菊池寛の文芸・演劇・映画エッセイ集』（清流出版）
虫明亜呂無『女の足指と電話機 回想の女優たち』（清流出版）、中公文庫で再刊
虫明亜呂無『仮面の女と愛の輪廻』（清流出版）
虫明亜呂無『むしろ幻想が明快なのである　虫明亜呂無レトロスペクティブ』（ちくま文庫）
徳川夢声『徳川夢声の小説と漫談これ一冊で』（清流出版）
芝山幹郎『映画は遊んでくれる』（清流出版）
大島渚『わが封殺せしリリシズム』（清流出版）、中公文庫で再刊
『新しき土－原節子 小杉勇 早川雪洲 伊丹万作 アーノルド・ファンク : 劇場パンフレット』青木眞弥と編 キネマ旬報社 2012
山川方夫『親しい友人たち : 山川方夫ミステリ傑作選』創元推理文庫 2015
芦川いづみ『愁いを含んで、ほのかに甘く』朝倉史明と編、文藝春秋 2019
* 堀越謙三『インディペンデントの栄光　ユーロスペースから世界へ』筑摩書房 2022

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