高崎宿

高崎宿（たかさきしゅく）

高崎宿は、中山道六十九次のうち、江戸から数えて13番目に位置する宿場町です。現在の群馬県高崎市にあたり、中山道と三国街道の分岐点として重要な役割を果たしていました。

概要

高崎宿は平野部に位置しており、交通の便が良いことから比較的早い時期から宿場町として発展しました。『安政3年5月改』の調書には「繁栄取締宜敷方」と記されており、当時の高崎宿の繁栄ぶりを伺い知ることができます。

高崎宿は、中山道だけでなく、例幣使街道（倉賀野宿が分岐点）、北国街道、そして仁礼道（仁礼街道）から大笹宿、大戸宿を経て高崎宿へと至る大戸道など、複数の街道が合流する地点でした。そのため、宿駅として大いに賑わいを見せていました。特に北国街道の脇往還の交通については、慶安3年(1650年)の記録に交通経路の規定が確認できます。仁礼道からは、大笹宿を経て沓掛宿で中山道に合流し、高崎宿へと至るルートが一般的でした。大笹宿から大戸を経て高崎に至る大戸道の通過は原則として禁じられていましたが、時代が下るにつれて脇道の利用も徐々に認められるようになったようです。

宿場の様子

天保14年（1843年）の『中山道宿村大概帳』によれば、高崎宿の宿内家数は837軒、本陣および脇本陣は設けられておらず、旅籠が15軒ありました。宿内人口は3,235人と記録されています。嘉永5年(1852年)の『宿方銘細書上帳』にも、本陣、脇本陣は存在せず、問屋が8軒あったと記されています。

戸数と人口については、『明細書上帳』によると、享和元年には317軒、1,759人でしたが、安政3年には366軒、2,182人と増加しており、宿場町の発展がうかがえます。

安政3年（1856年）の記録によれば、高崎宿には石高がなく、赤坂村の石高を割り当てられていました。また、江戸時代末期の助郷村は、20,421石、定助13村、加助17村であったとされています。

天明3年浅間山の大噴火

天明3年（1783年）には、浅間山が大噴火（天明噴火）を起こし、高崎宿も大きな被害を受けました。4月から活動を再開し7月まで噴火と小康状態を繰り返しながら活動を続けた。火山礫、火山砂、そして火山灰などが長期間にわたり降り注ぎ、宿場の人々の生活に大きな影響を与えました。

高崎宿における火山礫、砂、灰の堆積は、約66.7cmにも達したと記録されています。浅間山の噴火が中山道筋に与えた自然への影響は、『浅間奇談』などの記録にも残されています。

最寄り駅

東日本旅客鉄道（JR東日本） 高崎駅

隣の宿

中山道
倉賀野宿 - 高崎宿 - 板鼻宿
三国街道
* 高崎宿 - 金古宿

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