高月毬子

高月毬子：宝塚から東映、そしてテレビドラマへ至る多彩な女優人生

高月毬子（たかつき まりこ）は、1944年5月22日生まれの日本の女優である。東京都練馬区出身。本名は中島澄（篠原澄）といい、旧名には高毬子や初瀬百々代も持つ。愛称は「オシノ」や「すみちゃん」で親しまれた。姉は女優の篠宮朝美である。趣味は日本舞踊という、多才な一面も持ち合わせていた。

富士見高等学校卒業後、1960年に宝塚音楽学校に入学。宝塚歌劇団の48期生として華麗なる舞台の世界に足を踏み入れる。同期には、後に歌手として活躍する梓みちよがいたが、彼女は音楽学校時代に退学している。宝塚歌劇団では、75人中53位の成績で入学、1962年『メイド・イン・ニッポン』で初舞台を踏んだ。2年目からは雪組に所属し研鑽を積んだ。1965年11月29日、雪組公演『伊豆の頼朝／ゴールデン・シャドウ』を最後に宝塚歌劇団を退団した。

宝塚時代に出演した時代劇『剣は知っていた』（1965年）でのヒロイン役が縁となり、同年中に丹波哲郎の勧めで大映へ入社する。大映時代は、多くの作品で田宮二郎の相手役を務めることが多く、『複雑な彼』の冴子役などが知られている。

1968年に大映を退社後は、加藤事務所や本間事務所に所属し、東映製作のドラマや映画を中心に活躍を続ける。その中で特に代表作として挙げられるのが、人気シリーズ『プレイガール』での庭ルナ子役である。

プライベートでは、1974年に映画監督の中島芳人と結婚した。

映画・テレビドラマにおける主な出演作品

高月毬子は、映画、テレビドラマ双方で幅広く活躍し、数多くの作品に出演している。映画では、『復讐の切り札』（1966年）、『銭のとれる男』（1966年）、『複雑な彼』（1966年）、『貴様と俺』（1966年）、『野良犬』（1966年）、『ラーメン大使』（1967年）、『毒薬の匂う女』（1967年）、『怪談 蛇女』（1968年）、『ヒロシマの証人』（1968年）、『夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース』（1968年）、『謝国権「愛」より （秘）性と生活』（1969年）などに出演。時代劇から現代劇まで、多様な役柄を演じている。

一方、テレビドラマでは、『剣は知っていた』（1965年）、『とぼけた奴ら』（1968年）、『キイハンター』（1968年）、『特別機動捜査隊』（1968年）、『マイティジャック』（1968年）、『ローンウルフ 一匹狼』（1968年）、『銭形平次』（1968年～1974年）、『七人の刑事』（1969年）、『ブラックチェンバー』（1969年）、『立ち入り禁止 恋と恋』（1969年）、『プレイガールシリーズ』（1969年～1975年）、『遠山の金さん捕物帳』（1972年）、『世なおし奉行』（1972年）、『眠狂四郎』（1972年）、『地獄の辰捕物控』（1972年）、『ウルトラマンA』（1973年）、『アイフル大作戦』（1973年～1974年）、『若さま侍捕物手帖』（1973年）、『狼・無頼控』（1973年）、『人造人間キカイダー』（1973年）、『仮面ライダーX』（1974年）、『電撃!! ストラダ5』（1974年）など、数多くの作品に出演している。

これらの作品を通して、高月毬子は時代劇や現代劇など、様々なジャンルで確かな演技力を披露し、多くの視聴者に強い印象を残した。宝塚歌劇団出身の女優として培われた優雅さと、多彩な役柄を演じ分ける高い表現力は、彼女の女優としての魅力を際立たせていたと言えるだろう。

参考文献

『日本映画俳優全集・女優編』キネマ旬報増刊12月31日号（キネマ旬報社、1980年）

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