高津仲次郎

高津仲次郎：明治から昭和初期の政治家・実業家

高津仲次郎（たかつ なかじろう、1857年11月24日 - 1928年12月19日）は、日本の明治から昭和初期にかけて活動した政治家であり実業家でもあります。彼は衆議院議員を4期務め、群馬県会議員としても7期の任期を果たしました。また、彼は従六位に叙されるなど、政治の現場で深い影響を与えました。

幼少期と教育背景

仲次郎は群馬県の上野国緑野郡中島村で生まれました。彼は高津類蔵の次男であり、幼少期には母親や兄を早くに失うという厳しい環境の中で育ちました。家業は養蚕業でしたが、彼は学びに対する強い意欲を持っていました。渋川の藍園義塾で漢学を学んだ後、1882年に上京し、専修学校で法学と経済学を学びました。更に翌年には埼玉県の発陽学舎にて英学を修学し、1885年には旧制東京専門学校で英文科と政治学を専攻しました。

政治活動の始まり

仲次郎の政治活動は、1884年に群馬県会議員に当選したことから始まりました。翌年には常置委員にも選出されました。政府による養蚕業への干渉に危機感を抱き、彼は1887年に同志を募って上毛倶楽部を設立し、各地で政談演説を行うようになりました。1888年には保安条例に基づき退去を命じられるも、上毛倶楽部を上毛政社に改称し、養蚕業者をリードし続けました。さらに、電気事業にも関与し、群馬電力と烏川電力の創立に尽力し、東京電力や渡良瀬水電の取締役、上毛電気鉄道の監査役などとしても活躍しました。

教育界への貢献

教育にも力を入れた仲次郎は、1886年に前橋英学校を設立しました。この学校はその後経営困難に直面しましたが、前橋英和女学校として再建され、現在の共愛学園に至ります。

社会運動への参加

仲次郎は廃娼運動にも関与し、竹越与三郎と共に群馬県各地で廃娼を訴える演説会を開催し、社会改革を目指しました。これらの活動により、彼は地域のリーダーとしての地位を確立していきました。

議会活動と法的問題

1890年に行われた第1回衆議院議員総選挙において、仲次郎は群馬県第3区から出馬し当選を果たしました。その後、複数回の選挙でも当選し、衆議院議員として4期を務めました。しかし、1916年に発生した大浦事件により、懲役2か月・執行猶予3年の判決を受け、さらに大礼記念章が剥奪されるなど、波乱に満ちたキャリアの一面も見えます。

著作活動

仲次郎は、地域の歴史に関する著作も残しており、1911年には『中島水害誌』を編纂しました。その後、彼の日記も編纂され、1998年から2000年にかけて出版されています。加えて、仲次郎に関する伝記も執筆されており、彼の生涯と業績はどのように今日まで継承されているかが示されています。

家族と影響

仲次郎には三男があり、高津渡は社会主義者として知られています。彼の家族もまた、彼の信念や活動に影響を受けながらそれぞれの道を歩んでいます。

高津仲次郎の業績は、地域の経済発展や社会改革に向けた努力を通して、今なお語り継がれています。

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