緑野郡

緑野郡（みどのぐん）とは

緑野郡は、かつて群馬県（上野国）に存在した郡です。その歴史は古く、和銅4年（711年）には、郡の一部が多胡[[郡]]として分割されました。その後、近代に入り、1878年（明治11年）に郡区町村編制法が施行された際に、行政区画としての緑野郡が正式に発足しました。しかし、1896年（明治29年）には多野[[郡]]に編入され、その歴史に幕を閉じました。

郡域

緑野郡は、現在の行政区画でいうと、おおむね以下の区域に相当します。

高崎市の一部：阿久津町、根小屋町、木部町、山名町、新町および城山町一・二丁目の一部
藤岡市の大部分：大字上日野、下日野、譲原、保美濃山、坂原を除く

この地域は、豊かな自然と歴史的な背景を持ち合わせており、古代から交通の要所として栄えてきました。

歴史

古代

和銅4年（711年）3月6日：郡の一部が分割され、多胡[[郡]]が設置されました（『続日本紀』）。この出来事は、この地域の歴史を語る上で重要なポイントとなります。

近代以降

緑野郡は、明治維新後の行政改革の中で、その姿を大きく変えていきました。

明治初年：幕府領は岩鼻陣屋が管轄していました。当時の緑野郡は、3町42村で構成されていました。
慶応4年6月17日（1868年8月5日）：新政府が岩鼻陣屋に岩鼻県を設置し、幕府領・旗本領を管轄しました。
明治2年12月26日（1870年1月27日）：吉井[[藩]]が廃藩となり、その管轄区域が岩鼻県の管轄となりました。
明治4年：
7月14日（1871年8月29日）：廃[[藩置県]]により、藩領が高崎県、佐野県の管轄となりました。
10月28日（1871年12月10日）：第1次府県統合により、全域が群馬県（第1次）の管轄となりました。
明治6年（1873年）6月15日：熊谷県の管轄となりました。
明治7年（1874年）：鬼石村が鬼石町に改称されました。
明治8年（1875年）：落合新町・笛木新町が合併し、新町駅となりました。
明治9年（1876年）8月21日：第2次府県統合により、熊谷県が武蔵国の管轄地域を埼玉県に合併し、群馬県（第2次）に改称。当郡域は群馬県の管轄となりました。
明治11年（1878年）12月7日：郡区町村編制法の群馬県での施行により、行政区画としての緑野郡が発足しました。「緑野多胡南甘楽[[郡]]役所」が藤岡町に設置され、多胡[[郡]]・南甘楽[[郡]]とともに管轄しました。

町村制以降

明治22年（1889年）4月1日：町村制の施行により、以下の町村が発足しました。（3町7村）
藤岡町（藤岡町、小林村）
神流村（岡之郷村、下栗須村、下戸塚村、上戸塚村）
新町（新町駅が単独町制。現・高崎市）
小野村（中村、森村、森新田、上栗須村、中栗須村、立石村、立石新田、中島村）
八幡村（阿久津村、根小屋村、木部村、山名村。現・高崎市）
美土里村（上大塚村、中大塚村、下大塚村、本動堂村、上落合村、篠塚村）
平井村（鮎川村、東平井村、西平井村、緑野村、三ツ木村、白石村）
美九里村（神田村、矢場村、保美村、三本木村、高山村、本郷村、牛田村、川除村、根岸村）
鬼石町（鬼石町、浄法寺村）
三波川村（単独村制）
金井村が多胡[[郡]]日野村の一部となりました。
明治29年（1896年）4月1日：「緑野多胡南甘楽[[郡]]役所」の管轄区域をもって多野[[郡]]が発足し、同日緑野郡は廃止されました。

行政

緑野郡は、多胡[[郡]]、南甘楽[[郡]]と共同で「緑野多胡南甘楽[[郡]]役所」が置かれ、郡長が行政を担っていました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 10 群馬県、角川書店、1988年6月1日。ISBN 4040011007。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧
* 多野[[郡]]

緑野郡は、その短い歴史の中で、多くの変遷を経験しました。しかし、その名は、今もなお、地域の歴史を語る上で重要な存在として記憶されています。

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