高見三明

高見三明（たかみ みつあき）

高見三明は、1946年3月21日に長崎県長崎市で生まれたカトリック教会の聖職者であり、カトリック長崎大司教区の名誉大司教です。洗礼名はヨセフです。

生い立ちと司祭叙階

1946年、長崎市で誕生し、翌日にはカトリック三ツ山教会で幼児洗礼を受けました。1960年に長崎公教神学校（現・長崎カトリック神学院）に入学し、長崎南山中学校に編入。その後、長崎南山高等学校を卒業し、福岡市の聖スルピス大神学院で哲学と神学を学びました。1972年3月20日、浦上天主堂にて里脇浅次郎大司教から司祭に叙階されました。

1973年には、司祭養成に携わる教区司祭の会「聖スルピス司祭会」に入会し、ローマのグレゴリアン大学へ留学。1976年2月には教義神学修士の学位を取得しました。帰国後、母校である聖スルピス大神学院（現・日本カトリック神学院）で司祭養成に携わりました。1981年からはフランス、イタリアへ留学し、パリ・カトリック大学、教皇庁立聖書研究所、エルサレム聖書学院で聖書学を深く学びました。

1991年4月には、聖スルピス大神学院の院長に就任しました。

司教叙階と大司教就任

2002年2月7日、教皇ヨハネ・パウロ2世によりカトリック長崎大司教区の補佐司教に任命され、同年4月29日に浦上天主堂で島本要大司教から司教に叙階されました。2003年10月17日には、前任の島本要大司教の急逝を受け、ヨハネ・パウロ2世から長崎大司教に任命され、同年12月14日に長崎大司教に着座しました。

2008年11月24日には、実行委員長として長崎県営野球場でペトロ岐部と187殉教者の列福式を執り行いました。この列福式は日本初となるものでした。2010年4月21日には、日本の平和巡礼団の団長として、被爆マリア像を携えバチカンで教皇ベネディクト16世に謁見し、その像は教皇によって祝福されました。さらに同年5月2日には、被爆マリア像とともに渡米し、ニューヨークの聖パトリック大聖堂でミサを執り行いました。

2021年12月、教皇フランシスコにより定年に伴う退任届が受理され、翌2022年2月23日に名誉大司教となりました。

教区資金流用問題

2020年、カトリック長崎大司教区で元会計責任者の神父が、2013年に教区資金2億5千万円を無断で流用し、そのうち約2億3千万円が未回収であるという問題が発覚しました。高見大司教は警察への被害届は出さないと説明しました。教区は謝罪し、債務者への返済要求と教区関係者による修復努力を行うと発表しましたが、具体的な資金管理体制については明確な説明がありませんでした。

パワーハラスメント問題

2020年7月には、教区の女性職員が、2019年2月に教区幹部から叱責や暴言を受けPTSDを発症したとして、労災申請を行いました。同年8月には浦上天主堂前でパワハラに対する抗議行動が行われました。

訴訟問題

2020年12月、長崎大司教区の神父から性的虐待を受けたと主張する女性が、高見大司教の「『被害者』と言えば加害が成立したとの誤解を招く」といった発言でPTSDが悪化したとして、長崎大司教区を相手取り長崎地方裁判所に提訴しました。

2021年11月の法廷で、大司教側は「第三者が『被害を受けたと思っている人』という意味」と説明しましたが、原告側は「本人が被害があったと言っているだけという意味も含んでいるのでは？」と反論。大司教側は「言葉が足りなかった」と回答しました。2022年2月、長崎地裁は大司教区に110万円の支払いを命じる判決を下しました。

その他

高見三明は、妊娠中の母の胎内で被爆した胎内被爆者であり、祖母や叔母らは原爆症で命を落としました。
また、「心のともしび」で原稿を執筆しています。

関連項目

カトリック長崎大司教区

外部リンク

カトリック長崎大司教区
* Archbishop Joseph Mitsuaki Takami, P.S.S. - Catholic-Hierarchy Website （英語）

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