高階幸造

高階幸造：神社界の重鎮、その生涯と業績

高階幸造（たかしな こうぞう、1864年8月 - 1921年1月19日）は、明治時代から大正時代にかけて活躍した日本の神職です。四條畷神社、伊和神社、廣田神社の宮司を歴任し、草創期の全国神職会運営に携わるなど、神社界に多大な貢献をしました。

生い立ちと初期の活動

高階幸造は、元治元年（1864年）8月に但馬国豊岡町（現在の兵庫県豊岡市）で、豊岡藩士の高階成章の三男として生まれました。明治13年（1880年）には、郷里の村社である金刀比羅神社に奉職し、神職としてのキャリアをスタートさせます。

明治21年（1888年）には、兵庫県皇典講究所の理事兼教授に就任。分所新築事業を担当し、明治31年（1898年）に竣工を迎えると、皇典講究所副総裁の久我建通から『古史徴』の一部を贈られました。また、全国神職会の創立にも関与し、同会の総務委員幹事として活動しました。

神社宮司としての活躍

明治34年（1901年）4月12日、高階幸造は四條畷神社の宮司に就任。その後、明治35年（1902年）1月29日には伊和神社の宮司に転任しました。翌明治36年（1903年）6月18日には、六給俸が下賜されています。

明治36年（1903年）11月11日には、廣田神社の宮司に転任し、同日付で四級俸が下賜されました。俸給については、その後も変動があり、明治39年（1906年）7月5日に三級俸、明治41年（1908年）4月1日に五級俸、明治44年（1911年）8月22日に三級俸と変わっています。大正時代に入ってからも、大正2年（1913年）12月26日に二級俸に昇給するも、大正7年（1918年）5月1日に四級俸に下がり、翌大正8年（1919年）7月31日に三級俸に復しました。

廣田神社宮司就任後、兵庫県神職督務所長にも推され、明治43年（1910年）には三府二十八県神職会より斯道尽瘁の表彰を受けています。

晩年と死後

大正2年（1913年）10月14日、財団法人兵庫県皇典講究分所が設立されると、兵庫県内務部長の小島源三郎、海神社の宮司である上月為蔭、西宮神社の宮司である吉井良晃と共に、その理事として名を連ねました。任期満了後も、上月為蔭、吉井良晃と共に理事に重任しています。

大正10年（1921年）1月19日、高階幸造は58歳で病により亡くなりました。没日付で特旨を以て位階を一級進めて正五位に叙せられ、二級俸を下賜されました。氏子葬が執り行われ、城崎郡田鶴野村野上（現在の豊岡市野上）に葬られました。

栄典

年月日不明 - 従七位
明治36年（1903年）12月25日 - 従六位
明治42年（1909年）02月22日 - 正六位
大正05年（1916年）05月01日 - 従五位
大正10年（1921年）01月19日 - 正五位

勲等

明治39年（1906年）04月01日 - 勲六等瑞宝章

著作

『神皇事蹟』兵庫県皇典講究分所、1900年12月3日
『祭文私稿』大阪国文社、1901年11月10日
『広田神社誌』
『通例祭典式』兵庫県皇典講究分所、1894年8月25日（編著）

系譜

父：高階成章
母：不詳
妻：高階鶴野
男子：高階研一（1885 - 1967）

高階幸造は、激動の時代にあって、神職として、また神社界のリーダーとして、その才能を発揮し、多大な功績を残しました。彼の名は、日本の神社史に永く刻まれることでしょう。

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