高麗広山

高麗広山の生涯と業績

高麗広山（こまのひろやま、生没年不詳）は、奈良時代に活躍した官人である。彼は背奈公の子孫で、後に背奈王、さらには高麗朝臣に改姓した人物だ。彼の政治・行政における貢献は、当時の日本社会において注目されるべきものである。

経歴と官位の変遷

広山は聖武天皇の時代、天平19年（747年）に従兄弟の背奈福信や兄の背奈大山と一緒に公姓から王姓に改姓した。この時、彼の位階は従八位上であった。改姓は氏族の名に大きな影響を与え、その後の彼の活動にとって重要な出来事であった。広山は天平21年（749年）の正月から閏5月までの間、大寺において139日間の写経と礼仏を行うなど、宗教的活動にも取り組んでいた。

その後、天平勝宝2年（750年）には、一族と共に高麗朝臣に改姓する。このように、彼の位階や姓の変更は彼の権威を高める要因となった。特に、757年には正六位上に昇進し、外従五位下の官位に就くこととなる。また、同年には右虎賁衛佐に任命され、その名声を高めた。

遣唐使の副使任命

天平宝字6年（762年）4月、広山は遣唐使の副使として任命された。これは当時の外交関係において重要な役割を果たすものだった。しかし、広山は同年の夏に唐への渡航を試みるも、悪天候により成功せず、結局、派遣自体が中止となってしまった。この時期、高麗に向かう途中、彼の兄である大山が渤海からの帰国途上で亡くなるという悲劇もあり、広山にとっても辛い時期であった。

淳仁朝と最期の時期

淳仁天皇の時代、すなわち天平宝字8年（764年）の終わりに、彼は再度位階の昇進を果たし、外従五位下に叙任された。さらに、見右虎賁衛佐の職に就いた。しかし、その後の動静についての記録は不明であり、同年9月に起こった藤原仲麻呂の乱に巻き込まれた可能性もあり、広山はこの混乱の中で失脚したのか、または亡くなったのかもしれない。彼の壮大な経歴は、当時の日本の政治的動乱の中に消えゆくものであった。

官歴

高麗広山の官歴は、彼の生涯を通じた重要な記録であり、特に以下の通りである。

• - 時期不詳：従八位上
• - 天平19年（747年）6月7日：公姓から王（こにきし）姓に改姓
• - 天平21年（749年）正月：見坊舎人
• - 天平勝宝2年（750年）正月27日：背奈王から高麗朝臣に改姓
• - 時期不詳：正六位上
• - 天平宝字6年（762年）4月17日：遣唐副使
• - 天平宝字8年（764年）正月7日：外従五位下、7月25日：見右虎賁衛佐

参考文献

広山の業績や経歴については、宇治谷孟による『続日本紀（中）』や宝賀寿男の『古代氏族系譜集成』などの資料が参照可能である。これらの文献は、彼の時代背景やその他の重要な出来事について知識を深めるための貴重な資料となっている。

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