鬼丸神社

鬼丸神社について

鬼丸神社は、鹿児島県日置市日吉町吉利に位置する神社です。この神社は、戦国時代の武将、禰寝重長（ねじめしげなが、右近大夫）の霊を祀るために、その息子である重張によって建立されました。

創建の背景

禰寝重長は、火縄銃が伝来した戦国時代において、大隅国（現在の鹿児島県東部）で勢力を拡大した武将です。島津氏や肝付氏に味方し、日明貿易を推進したことでも知られています。重長は1580年（天正8年）に亡くなり、その霊を慰めるために、息子である重張がこの神社を建てたと言われています。

祭神について

鬼丸神社の祭神は、禰寝右近大輔重長です。ちなみに、肝属郡南大隅町にも同名の鬼丸神社があり、そちらも祭神は禰寝重長です。南大隅町の鬼丸神社には、慶長年間に制作されたとされる玉眼の重長の座像が安置されており、歴史的にも貴重なものです。

例祭「せっぺとべ」

鬼丸神社では、毎年6月初旬に例祭が執り行われます。この例祭は、日置八幡神社と共同で、御田植祭の一種である「せっぺとべ」という独特な神事が行われます。「せっぺとべ」は「精一杯跳べ」という意味で、五穀豊穣を祈る神事です。この祭りは、日置島津家の第3代当主、島津常久が1595年（文禄4年）に日置八幡神社を日置の総鎮守と定め、新田を寄進した頃に始まったと伝えられています。

鬼丸神社の歴史的意義

鬼丸神社は、戦国時代の武将である禰寝重長の足跡を今に伝える貴重な場所です。また、この神社で行われる例祭「せっぺとべ」は、地域の歴史と文化を伝える重要な行事となっています。神社自体も市指定史跡となっており、その歴史的価値が認められています。

その他の関連事項

鬼丸神社の周辺には、鬼丸という地名も存在し、神社との関連性が伺えます。また、禰寝重長が活躍した時代には硫黄の採掘も盛んであり、島津氏との繋がりも深く、これらの要素も鬼丸神社の歴史を理解する上で重要なポイントとなります。

鬼丸神社は、地元の人々に大切に守られ、今日に至っています。訪れる際には、静かに歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

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