禰寝重長

禰寝重長

禰寝重長（ねじめ しげたけ）は、1536年から1580年にかけて生きた、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。大隅国（現在の鹿児島県）の国人である禰寝氏の第16代当主として、根占七ヶ郷（現在の錦江町大根占地域および南大隅町根占地域）を領有していました。

生涯

1536年、禰寝清年の子として誕生しました。母は島津忠興の娘です。重長は肝付兼続の娘を妻に迎え、1561年には兼続に従い大隅国内に出陣。その後も肝付氏に味方し、島津氏と戦いました。しかし、兼続の死後、肝付氏の勢力が衰退すると、1573年に島津義久と単独で和睦します。これにより、肝付兼亮や伊地知重興から攻撃を受けますが、島津軍の援軍によって撃退しています。

1580年に重長は亡くなり、跡を継いだ嫡子の重張が17代当主となりました。重張は島津氏の重臣として仕え、天正の役の後、豊臣秀吉から吉利村に移封されました。重張は当地に父である重長の霊を祀る鬼丸神社を建立しています。

政策

重長は、内政面で優れた才能を発揮し、対明貿易や商業を積極的に奨励しました。特に注目されるのは、温州みかんの栽培を日本で最初に行った人物とされている点です。さらに、蝋燭の材料となる木蝋（櫨蝋）の原料であるハゼノキを中国から根占に取り寄せ、日本で初めて栽培させました。ハゼノキ栽培と櫨蝋生産は、後に他の地域にも広がり、重要な輸出品となりました。これらの政策は、重長の領地における経済発展に大きく貢献したと考えられています。

まとめ

禰寝重長は、戦国時代から安土桃山時代にかけての大隅国で活躍した武将であり、優れた内政手腕を持つ領主でした。温州みかんの栽培やハゼノキの栽培を日本で初めて行うなど、先進的な政策を推進した人物として、その名は歴史に刻まれています。

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