魏 (戦国)

魏の歴史と影響

魏（ぎ）は、紀元前453年または紀元前403年に韓・趙と共に晋から独立し、中国戦国時代に存在した国です。魏の国名は晋文字では𫵾、楚文字では𩲈と表記され、戦国七雄の一つに数えられます。魏は東西に広がる領土を持ち、隣国には東に斉、西に秦、南に韓と楚、北東には趙を持っていました。最初の首府は安邑でしたが、後に大梁に遷都されました。

前史と国の成り立ち

魏の始まりに関しては、周の武王の弟である畢公高（ひつこうこう）が先代として位置づけられます。彼は周の君主たちの遺体が埋葬されている地に封じられたことから、畢公と呼ばれるようになりました。その後、彼の子孫である畢万は、晋に仕官し、次第に力を増していきました。最終的に、彼は紀元前453年に魏駒として知られる人物が智氏を滅ぼし、韓・趙と共に晋から独立することとなります。これにより、魏という国が形成されることになりました。

戦国時代の発展

魏は、紀元前445年に即位した文侯の治世下で大きな発展を 遂げました。文侯は、内政では李克や西門豹、軍事では呉起や楽羊といった有能な者を取り入れ、周辺諸国へ攻め込んで国力を増大させました。彼の治世下で、魏は戦国七雄の中でも最強の国となり、紀元前403年には他の国々と共に諸侯としての地位を獲得しました。

その後、文侯の死後に子の武侯が跡を継ぎましたが、河西の太守であった呉起が楚に亡命することが起こりました。武侯もまた優れた君主ではありましたが、戦争が続く中で国家財政はいよいよ厳しくなっていきました。

外圧と内政の葛藤

紀元前370年、武侯の死後、恵王が治世を担う時期になります。彼の時代には、斉の孫臏に大敗する馬陵の戦いがありました。また、商鞅の変法によって急激に国力を強化した秦に対しても、大きな打撃を受けます。これにより、魏は一時、国名を梁と改め、大梁に遷都しました。しかしこの移転は、文侯以来続けてきた覇者の座から転落する結果となりました。

その後、魏は秦の圧力に対抗するための策を模索します。が、秦の圧迫は厳しく、内政の問題も相まって、王国は困難な状況に陥りました。信陵君と称される公子は、紀元前247年に連合軍を率いて秦の侵攻軍を撃退しましたが、その後彼は長い間、兄の猜疑から苦しむこととなります。

魏の滅亡

魏は信陵君の死後、再び秦に抵抗できなくなり、領土を次々と失っていきました。秦政を経て、紀元前225年には将軍王賁により大梁が水攻めにされ、魏は降伏し滅亡しました。後には魏王の子孫が復興を試みるも、短命に終わります。魏の文化的、政治的影響はその後の漢の時代にも影響を与え続けました。

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