魚本公博

魚本公博の生涯と背景

魚本公博（うおもと きみひろ）は、日本のテロリストであり、よど号グループの一員として知られています。1948年3月19日、大分県別府市に生を受けました。彼は高校教師の家庭に育ち、特におじがフィリピンで戦死した影響から、幼少期には反米的な愛国心を抱き、進駐軍の行動に対する嫌悪感を募らせることとなりました。

学生運動と武装闘争

大学は関西大学に進学し、そこで学生運動に身を投じることになります。特に佐世保エンタープライズ寄港阻止闘争などの活動を通じて、彼は共産主義者同盟に属する学生グループに参加しました。後には赤軍派に加わり、1970年の東大安田講堂事件などの過激な行動にも関与しました。これらの経験が、彼の思想形成に大きな影響を与えたと考えられています。

よど号ハイジャック事件

1970年、魚本は極めて重要な事件、よど号ハイジャックを引き起こしました。この事件は、日本の航空機を北朝鮮に誘導するもので、彼はその主要メンバーの一員でした。事件発生後、警察は複数のメンバーを特定しようとしましたが、最初は「梅内恒夫」と誤って報道され、その後、10日経ってから「安部公博」と訂正されました。

この事件を契機に、魚本は北朝鮮に亡命し、以降もその地に居住しています。彼は事件を通じて得た影響力を駆使し、北朝鮮内での生活を送っています。また、彼の存在は国際的な問題においても注目され、警察庁からは指名手配を受けているほか、国際刑事警察機構からも手配されています。彼が関与したのはよど号事件だけでなく、有本恵子の拉致事件でもあり、このことからも特に悪名高い存在とされています。

家族とその後

魚本は、1976年に同じく大阪出身の魚本民子と結婚し、魚本姓となりました。妻の民子は高校を卒業後、日本でバスガイドをしていましたが、2004年に帰国した際に旅券法違反で逮捕され、翌年には懲役1年6ヶ月・執行猶予4年の判決を受けました。彼には3人の子どもがいますが、長男は2002年に帰国し、さらに長女と次男が2004年に帰国しました。

現在の状況

現在、魚本は平壌に住んでおり、その生活は未知数ながらも、彼が国際手配をされている背景を持つことが、彼の地位を特異なものにしています。よど号ハイジャック犯の中で、唯一、有本恵子の拉致事件に関与したとして国際的に手配されていることは、彼の評判に一層複雑さを加えています。特に現在の北朝鮮の情勢の中で、魚本公博の存在は重要視され続けています。

もう一度検索