梅内恒夫

梅内恒夫は、1947年青森県に生まれ、共産主義者同盟赤軍派の活動家として知られています。青森県立八戸高等学校を卒業後、福島県立医科大学に進学。在学中に共産主義者同盟に加盟し、赤軍派結成と同時にその一員となりました。彼は、後に連合赤軍のメンバーとなる植垣康博を赤軍派に勧誘した人物としても知られています。

梅内は、赤軍派において爆弾製造を担当し、彼が考案した爆弾は「梅内爆弾」として知られるようになりました。この爆弾は新左翼の爆弾闘争を激化させる要因の一つとなりました。しかし、大菩薩峠事件の捜査で梅内の名前が浮上し、爆発物取締罰則違反で指名手配されることになります。その後、彼は地下に潜伏し、消息を絶ちました。

梅内の思想は、後に日本原住民論として結実し、反日テロが多発するきっかけの一つになったとされています。1972年5月には、『映画批評』に「共産主義者同盟赤軍派より日帝打倒を志すすべての人々へ」と題する手記を寄稿。太田竜、竹中労、平岡正明にエールを送りました。太田竜は「同志として公然と確認しよう」と応じたものの、梅内からの返答はありませんでした。これが彼の最後の消息となっています。

1978年1月10日、梅内に対する公訴時効が成立しました。新左翼の中には、指名手配の公訴時効成立後に公然と活動したり、支援者の前に姿を現す者もいますが、梅内は一切そのような行動を起こしませんでした。そのため、現在に至るまで彼の行方は不明のままです。

梅内は、よど号ハイジャック事件発生時、警察の指紋照合で一時メンバーの一人と誤認されましたが、後に別人であると訂正されました。また、あさま山荘事件の際にも立てこもっているグループの一人として報道されました。

一部では、梅内は「大物」とは言い難いという見解もあります。赤軍派内で銀行強盗作戦（M作戦）を実行しようとした際、梅内は尻込みする様子を見せ、「ビビリスト」という異名を持っていたとされています。また、「梅内爆弾」は高い破壊力を持つものの、重量が約3キロもあり、安全な場所に投げるには砲丸投げ選手並みの力量が必要とされるなど、実用性に欠ける面があったとも言われています。

しかしながら、梅内は指名手配者として逃亡生活を続けたことで、日本新左翼史に名を残す「伝説の男」となりました。彼の足跡は、新左翼運動の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

参考文献

• - 高沢皓司、佐長史朗、松村良一編『戦後革命運動事典』新泉社、1985年
• - 山本徹美「爆弾魔・梅内恒夫のまぼろし―今も逃げつづける「爆弾作りの名人」の正体」『文芸春秋』73巻4号、文芸春秋、1995年

関連項目

• - 新左翼
• - 反日亡国論
• - 窮民革命論

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