鵜坂神社

鵜坂神社の概要

鵜坂神社（うさかじんじゃ）は、富山県富山市婦中町鵜坂に存在する神社です。式内小社であり、かつては県社という社格を持っていました。ここでは、主祭神として淤母陀琉神と訶志古泥神が祀られており、鵜坂姉比咩神、鵜坂妻比咩神、大彦命も配祀されています。特に社名の由来ともなっている「鵜坂神」が本来の主祭神であり、配祀された神々は、それぞれ主祭神の姉神や后神と考えられています。

大正時代に、旧鵜坂村内の他の神社も合祀されたため、現在では天照皇大神、豐受大神、譽田別大神、豐玉姫命、倉稻魂神、建御名方命、水波賣神、天兒屋根命の八神が一緒に祀られています。これは、神社の歴史的背景を反映していると言えるでしょう。

歴史

社伝によると、鵜坂神社はおよそ2000年前、崇神天皇の時代に北陸道の将軍である大彦命によって勧請され、その後652年に創立されたとされています。平安時代には、神階は従三位に上がり、朝廷からの敬意を受けていました。また、延喜式神名帳にも小社として名を連ねています。しかし、白鳳期には、真言宗鵜坂寺が建立され神宮寺としても栄えましたが、戦国時代に入ると度重なる災害や近隣の神通川による水害で衰退してしまいます。さらに、1870年に廃仏毀釈が行われた際、寺は消滅し、その堂は現存していないのです。その後、1873年に神社としての社格が与えられ、県社に列格しました。

祭事

鵜坂神社では様々な祭事が行われています。年間行事の中には、歳旦祭（1月1日）、建国祭（2月11日）、祈年祭（2月23日）、例大祭（4月29日）、除蝗祭（6月16日）、新嘗祭（11月23日）などがあります。

特に、平安時代から江戸時代にかけて行われていた「楉祭（尻打祭）」は注目すべき祭事です。この祭りでは女性の尻を打つことで健康な子が生まれるとされ、特殊な神事として知られていました。その後、明治初期には雌馬の尻を打つ祭に変更されましたが、第二次世界大戦後に廃絶となりました。神社の関連文献にもこの祭事についての記載があり、過去の文化に触れる貴重な資料となっています。

施設

鵜坂神社の本殿は神通川を背にして位置し、拝殿や鳥居はその正面に配置されています。拝殿の左側には、かつての鵜坂寺の名残として墓石があり、越中国司であった大伴家持がこの地を訪れた際の和歌を刻んだ「鵜坂河の歌碑」も存在します。また、参道の脇には「疣石」と呼ばれる石があり、ここには疣や痔に対する霊験があるとされます。参拝者は、疣を持つ場合にはその部位をさすり、痔の場合には静かに腰掛けることで、その効果を求めるとされています。

このように、鵜坂神社は長い歴史を持ち、地域の文化や民俗信仰が息づく場所です。神社を訪れることで、日本の伝統や歴史に触れることができるでしょう。

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