鵜殿駅

鵜殿駅(うどのえき)



鵜殿駅は、三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿に位置する、JR東海紀勢本線の駅です。新宮方面へ向かうとすぐに和歌山県に入るため、三重県における最南端かつ最西端の駅として知られています。

歴史



1940年昭和15年)8月8日:紀勢西線(現・紀勢本線)の紀伊木本駅(現・熊野市駅) - 新宮駅間延伸時に開設されました。
1959年(昭和34年)7月15日:線路名称改定により、紀勢西線が紀勢本線に編入され、同線の駅となりました。
1980年昭和55年)10月1日:専用線発着を除く貨物取扱が廃止されました。
1985年昭和60年)3月14日:荷物扱いが廃止されました。
1986年昭和61年)11月1日無人駅となりました。
1987年昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東海・JR貨物の駅となりました。
1994年(平成6年)10月1日:コンテナ貨物取扱が開始されました。
2013年(平成25年)3月16日:コンテナ貨物取扱が廃止され、定期貨物列車の発着が消滅しました。
* 2016年(平成28年)4月1日:亀山駅 - 当駅間の貨物営業廃止に伴い、JR貨物の駅が廃止されました。

駅構造



島式ホーム1面2線を有する、列車交換が可能な地上駅です。ホームがある上下本線の他に、以前は貨車機関車留置用の側線がありました。駅舎とホームは構内踏切で連絡しています。本線はJR東海が管轄しており、以前存在した側線はJR貨物が管轄していました。

構内南側には、開業時からの木造駅舎があります。駅舎内にはシャッターが閉まった状態ではありますが、出札口や小荷物台が残っています。熊野市駅管理の無人駅ですが、かつては駅の事務室が貨車入換作業を行う職員の休憩室として利用されていました。2016年の貨物取扱廃止に伴い、事務室は使用されなくなりました。

のりば



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1 紀勢本線 (下り)新宮方面

2 紀勢本線 (上り)亀山方面



貨物取扱・専用線



JR貨物の駅は専用線発着コンテナ貨物取扱駅でしたが、2013年3月改正で通年休止の臨時車扱貨物取扱駅となり、2016年4月の亀山駅 - 当駅間貨物営業廃止に伴い、正式に廃止されました。

以前は、当駅構内から南方にある北越紀州製紙紀州工場へ続く専用線が分岐していました。総延長は約3kmで、全線非電化でした。線内入換作業は日本通運の小型ディーゼル機関車が担当していました。

この路線は主に紙製品の発送に使用されていました。工場内に貨物ホームがあり、コンテナ車にコンテナを搭載したまま紙製品の積込作業が行われていました。発送先は東京貨物ターミナル駅でした。

以前はコンテナではなく有蓋車で製品を輸送していましたが、1994年10月にコンテナ化されました。当時は品川駅へ発送していました。また、工場で使用する液体塩素等の化学薬品も到着していました。

貨物列車は1日1往復、駅を発着する高速貨物列車がありました。稲沢方面との間で運行されていましたが、稲沢発列車は一度当駅を通過し、新宮駅で折り返した後、当駅へ到着していました。稲沢行列車も同様に一度新宮駅を経由していました。2008年3月ダイヤ改正に伴い、新宮駅経由運行は行われなくなり、当駅から直接発着するようになりましたが、その5年後の2013年3月16日ダイヤ改正後に北越紀州製紙が船舶輸送へ切り替えることを表明したため、前日の15日付けで運行終了しました。末期の発着時刻は、9時36分着、15時40分発でした。稲沢駅まで国鉄DD51形ディーゼル機関車JR貨物コキ100系貨車7両を引き、稲沢駅でDD51を切り離した後、東京貨物ターミナル駅で荷下ろしされました。紀勢本線の急勾配を乗り越えるため、2008年まではDD51を2両連結して運行していました。

利用状況



三重県統計書」によると、近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通りです。

※ 利用状況のデータは省略

駅周辺



紀宝町鵜殿の北東部外れに位置していますが、駅前には商店等が立地しています。鵜殿は旧紀州製紙(現・北越コーポレーション)の企業城下町として知られています。2006年1月の合併まで周辺は南牟婁郡鵜殿村で、当時は日本で一番面積が小さい村として知られていました。駅を出て駅前の国道を右に曲がると、当駅から分岐する北越紀州製紙への専用線踏切があり、左に行くと同社の工場や鵜殿の港へ、真直ぐ行くと鵜殿地区の中心部に至ります。

専用線踏切は手動であり、列車が通る時のみ係員がやって来て踏切を操作し、遮断機を閉めます。紀勢本線新宮方面列車は当駅を出るとこの貨物線を左に分け、やがて三重県和歌山県の境をなす熊野川を渡ります。熊野川の対岸は和歌山県新宮市の市街地で、新宮駅に到着します。熊野川中央部の県境から、橋梁と丹鶴トンネルとの境目にある会社境界までの間が、JR東海で唯一和歌山県内にある区間となります。

隣の駅



東海旅客鉄道(JR東海)

紀勢本線

紀伊井田駅 - 鵜殿駅 - 新宮駅

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