鵜飼錬斎

鵜飼錬斎（うかい れんさい）は、慶安元年（1648年）に生まれたとされる江戸時代前期の儒学者です。ただし、彼の生年については寛永10年（1633年）とする説も存在します。諱は真昌（まさあきら）、字は子欽（しきん）、通称は金平（きんぺい）、号は錬斎と称しました。彼は鵜飼石斎（うかいせきさい）の次男であり、鵜飼称斎（うかいしょうさい）の兄にあたります。また、甲賀忍者を遠祖とする家系に生まれました。

京都で生まれた錬斎は、まず父から儒学を学びました。16歳という若さで父に代わり、尼崎藩において儒学を講義するほどの才能を発揮しました。その後、山崎闇斎（やまざきあんさい）に師事し、さらに学識を深めます。

延宝6年（1678年）、安藤為章（あんどうためあきら）の推挙により、徳川光圀（とくがわみつくに）に招かれ、当時江戸にあった彰考館（しょうこうかん）に入ります。200石を与えられ、進物番（しんもつばん）を兼務しました。その後、佐々十竹（ささじっちく）とともに、『大日本史』編纂のための史料採訪を西国で行い、その功績により書院番組（しょいんそぐみ）300石に昇進しました。

錬斎は、『資治通鑑綱目（しじつがんこうもく）』の校訂訓読を行い、刊行しました。彼の施した訓点は「金平点」と呼ばれ、当時の学者たちから非常に重んじられました。元禄5年（1692年）には、彰考館の総裁兼小納戸役（こなんどやく）に任じられましたが、翌年、元禄6年4月11日（1693年5月15日）に亡くなりました。

彼の墓所は、東京都文京区本駒込にある龍光寺（りゅうこうじ）にあります。その功績が称えられ、大正7年（1918年）に従五位が追贈されました。

鵜飼錬斎は、その学識と『大日本史』編纂への貢献により、江戸時代前期の儒学者として名を残しています。

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