鶴田清次

鶴田清次について

生涯と出自

鶴田清次（つるた せいじ）は、文化14年（1817年）に生まれました。彼は一橋徳川家の家臣である馬場信周の次男で、幼少期には鉄五郎と呼ばれていました。後に養子となり、謙信の名を受けて、清次郎尹房へと改名しました。江戸幕府の御家人として、さまざまな活動を通じてその名を知られるようになりました。

御徒としての活動

鶴田は天保5年（1834年）、養父の病退に伴い、御徒に加わりました。天保12年と14年には、それぞれ起倒流の柔術および柳剛流の剣術の免許を取得しました。特に、歴代の将軍に仕えた経験は、彼の後の博学者としての地位を高める要素となりました。

彼はまた、日光東照宮や徳川家の行事に随行し、重要な役割を果たしました。安政2年には江川太郎左衛門に教えを受け、さらに砲術に関してもその腕前を磨きました。文久元年には京都へ赴き、和宮親子内親王の下向に供奉をしています。

学問の道と開成所での活動

文久2年、鶴田は蕃書調所に入学し、物産学を専門的に学びました。後に開成所において調役を務め、物産学の発展に貢献しました。特に、慶応2年のパリ万国博覧会に向けて、チームで虫捕りを行い、多様な動植物の標本を収集する仕事をしました。この経験は後の進展にも大きく寄与したと言えるでしょう。

静岡藩の時代と明治政府への貢献

明治維新後、鶴田は静岡藩において薬園の管理を任されました。急速に変わる日本の歴史の中で、彼は医療の分野にも関わり、地元の薬園の運営や様々な社会事業に尽力しました。そして、明治政府ではウィーン万国博覧会の準備を担当し、静岡や浜松地域の物産や生物に関する調査を行いました。

明治5年には博覧会事務局に出仕し、ウィーン万国博覧会で日本の展示品を取り扱う役割を果たし、他地域の特産品の調査をするなど、国際的な視点を持った活動に貢献しました。彼の努力は、明治7年にも内務省御用掛として博物局に勤務することで結実しました。

著作と貢献

鶴田清次は、その生涯に多くの著作を残しています。「御上洛御伴道中記」や「東海道名所記」など、彼の手記は当時の状況や文化を知るための貴重な資料となっています。また、博物局の発行物に解説文を加えることで、日本の博物学の発展に寄与しました。

まとめ

彼の生涯は、江戸幕府から明治政府へと移り変わる激動の時代の中で、学問と実務を通じて日本の近代化に寄与した一人の学者の姿を示しています。1892年に76歳で亡くなりましたが、その業績や著作は今もなお、多くの人々に影響を与え続けています。

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