鷲尾家

鷲尾家：鎌倉時代から明治時代へ至る華族の歴史

鷲尾家は、悠久の歴史を誇る名家です。その起源は鎌倉時代へと遡り、藤原北家四条流の公卿である四条隆親の三男、隆良を祖としています。公家としての家格は羽林家、華族としての家格は伯爵家と、高い地位を保ち続けました。

戦国時代末期には一時的に家系が途絶えましたが、江戸時代初期の慶長6年(1601年)に、四辻公遠の子である季満が隆尚と改名し、鷲尾家を再興しました。華道、神楽、そして膳羞といった伝統的な家学を継承し、江戸時代の石高は180石とされていました。

幕末から明治維新にかけての激動の時代、鷲尾家は重要な役割を果たします。第19代当主・隆聚は、戊辰戦争において大総督府参謀として活躍、その功績により永世録200石を賜りました。明治維新後も、隆聚は陸軍少将、五条県（現在の奈良県）、若松県（現在の福島県）、愛知県知事、そして元老院議官など要職を歴任し、国家に貢献しました。

明治2年(1869年)の行政官達による公家と大名家の統合、そして華族制度の誕生により、鷲尾家も華族に列せられました。続く明治17年(1884年)の華族令施行により、五爵制が導入されると、大納言宣任の例が多い旧堂上家であった鷲尾家は、隆聚が伯爵位を叙爵されました。家督は隆聚の十男である隆信が継承しました。

同時期、隆聚の次男である隆順は別家を興し、明治43年'>[男爵]]位を得ています。また、隆順の甥である光遍が鷲尾家へ養子入りし、1910年]には石山寺座主となりました。以後は、光遍の子孫が石山寺座主の地位を[[世襲しています。

鷲尾家の歴史は、単なる家系の変遷にとどまりません。公家としての伝統、そして華族としての栄光、さらに明治維新後の近代日本における活躍など、日本の歴史と深く関わっています。華道や神楽といった伝統文化の継承、そして政治や行政における貢献など、多方面にわたる活躍は、鷲尾家が日本の歴史に刻んだ大きな足跡を示しています。

系図

（系図については、本記事では詳細な図表による記載は省略させていただきます。詳細な系図は、参考文献である『鷲尾家譜』や『平成新修旧華族家系大成』などを参照ください。）

参考文献

橋本政宣編『公家事典』　吉川弘文館、2010年
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』下巻、霞会館、1996年
『鷲尾家譜』　1875年（東京大学史料編纂所所蔵）
浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』リブロポート、1994年
小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社〈中公新書1836〉、2006年
華族大鑑刊行会『華族大鑑』日本図書センター〈日本人物誌叢書7〉、1990年

その他

公卿類別譜（公家の歴史）鷲尾 - ウェイバックマシン（2008年12月12日アーカイブ分）
世界帝王辞典　鷲尾家（羽林家）

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