鷲羽山遺跡

鷲羽山遺跡

鷲羽山遺跡は、岡山県倉敷市大畠の鷲羽山に位置する旧石器時代の遺跡です。特に鷲羽山の久須美鼻と呼ばれる場所から、重要な発見がありました。この遺跡は、西日本で最初に確認された旧石器時代の遺跡の一つであり、その後の旧石器時代研究における基準点としての役割を果たしています。

発見の経緯

鷲羽山は四国方面へ海に長く突き出た地形のため、海岸線の侵食が激しく、花崗岩が露出しています。石器は、これらの花崗岩が風化した土層の中から発見されました。1949年（昭和24年）の岩宿遺跡の発見を契機に、全国的に旧石器時代の資料が見直される中、鷲羽山でも倉敷考古館を中心に1951年（昭和26年）頃から資料の検討が進められました。そして、1954年（昭和29年）から本格的な発掘調査が開始されました。

発掘の結果、最上層は二次的に堆積した約30cmの表土層であることが判明しました。

出土品

鷲羽山遺跡からは、以下のような石器が出土しています。

縦長剥片
石槍
細石刃核
細石刃
ナイフ形石器
小型ナイフ形石器
尖頭器
彫器

これらの石器の中には、香川県産のサヌカイトが使用されているものがあります。サヌカイトは硬く、割ると鋭利な刃が得られるため、石器の材料として非常に適していました。当時の瀬戸内海は現在よりも海水面が100m以上低く、湖程度の大きさであったと考えられています。そのため、香川県とは陸続きであり、人々は歩いてサヌカイトを入手することが可能だったと考えられています。

アクセス

鷲羽山遺跡へのアクセスは、以下の通りです。

鉄道：JR本四備讃線（瀬戸大橋線）児島駅下車
バス：下津井電鉄バス「ユースホテル前」バス停下車すぐ
自動車：瀬戸中央自動車道児島ICから約10分

関連情報

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