鹿児島県警察とは？意味をやさしく解説

鹿児島県警察について

鹿児島県警察は、鹿児島県内を管轄する警察組織であり、県民の安全と治安維持を主な任務としています。警察法に基づき鹿児島県公安委員会の管理下に置かれていますが、職員の給与は鹿児島県知事から支払われる点が特徴です。また、警察庁九州管区警察局の監督も受けています。

歴史

1954年7月1日に警察法が改正されたことにより、鹿児島県警察が誕生しました。1996年には県庁舎の移転に伴い、警察本部庁舎も現在の場所に移転しました。1999年には、本部長の小野次郎氏の発案により、全国で初めてパトカーの車体に「POLICE」の文字が入れられました。2010年には生活安全部地域課に「自動車警ら隊」が設置され、2020年には横川警察署が霧島警察署に統合されました。

組織

鹿児島県警察は、以下の主要な部門で構成されています。

警務部

警察組織全体の運営を担い、人事、会計、広報、情報管理などを担当します。

警務課
総務課
相談広報課
会計課
監察課
留置管理課
厚生課
情報管理課

生活安全部

県民の生活の安全を守るため、地域、少年、生活環境、サイバー犯罪対策などを担当します。

生活安全企画課
地域課
人身安全・少年課
生活環境課
サイバー犯罪対策課

刑事部

各種犯罪の捜査を担当し、殺人、強盗、詐欺などの事件を扱います。

刑事企画課
捜査第一課
機動捜査隊
捜査第二課
組織犯罪対策課
鑑識課
科学捜査研究所

交通部

交通安全の確保と交通事故の捜査を担当します。

交通企画課
交通指導課
交通規制課
免許管理課
免許試験課
交通機動隊
高速道路交通警察隊

警備部

公安、警備、災害対策などを担当します。

公安課
警備課
警察航空隊
機動隊

2007年4月には、機動隊、九州管区機動隊鹿児島小隊、交通機動隊、高速道路交通警察隊、機動捜査隊、航空隊を統合運用する「鹿児島県警察機動センター」が設置されました。

データ

警察署数：27
交番数：68
駐在所数：205
職員数：2912人
パトカー：約900台
白バイ：約50台
警備艇：2隻
ヘリコプター：1機

警察車両のナンバー地名は、奄美市及び大島郡が「奄美」、それ以外の地域は「鹿児島」となっています。

警察署

鹿児島県内には27の警察署があり、鹿児島中央警察署と鹿児島西警察署の署長は警視正、その他の署長は警視が務めています。また、主要な警察署には副署長が置かれています。

不祥事

近年、鹿児島県警察では不祥事が相次いでいます。以下に主な事例をまとめます。

2003年

志布志事件：県議会議員選挙で、捜査機関が違法な取り調べを行い、後に全員が無罪判決。県に損害賠償命令が下されました。

2008年

原子力関連施設警戒隊員による児童買春事件。
巡査部長が女性用下着を盗んだとして停職処分。

2010年

男性警部補が女性職員へのセクハラ行為。

2011年

東日本大震災の津波避難勧告中に警察署員が宴会を開いていたことが発覚。
福岡県で巡査2人が強制わいせつ容疑で逮捕。

2012年

警部補による飲酒運転。
暴力団組員の供述内容を改竄。
警部補が部下に銃口を向ける、手錠をかけるなどの事件。
鹿児島天文館事件：逮捕された男性のDNA鑑定で冤罪が発覚。

2013年

県警察学校職員が公費をだまし取ったとして逮捕。
さつま署の会計課長が収入証紙の売り上げを横領したとして逮捕。
鹿児島中央署制圧死事件：警察官が男性を取り押さえる際に死亡させ、遺族が刑事告訴。

2014年

警視が土木会社社長から接待を受けていたことが判明。

2016年

無理心中事件で、母親を殺害した疑いのある息子について捜査を放置。
男性警視が部下へわいせつ行為をしていたことが発覚。
実弾を装填した拳銃を部下に向けた警部補が書類送検。
鹿屋署の巡査部長が女性へのわいせつ行為容疑で逮捕。
採用前の元巡査が強姦事件を起こしていたことが判明。

2017年

警察官が公務外で窃盗罪で罰金刑となるも、県警は公表せず。
鹿児島西警察署会計課の警察職員が遺失物のICカードを着服し、懲戒免職。

2018年

警備部巡査が女性宅に不法侵入。
交通部職員が男性宅の敷地に侵入し、車内を物色し逮捕。
警務部巡査部長が部下へのパワハラで停職処分。
霧島警察署巡査が女性のスカート内を盗撮し逮捕。
日置警察署巡査がナイフ所持で逮捕。
広報担当の副署長が報道機関の女性にセクハラ発言で降格処分。

2019年

児童福祉法違反で逮捕した男のスマホから、裁判所の令状なしで位置情報を取得。
霧島市での駅伝大会で、交通整理中の警察官が業務上過失致死で書類送検。

2020年

巡査部長が中学生に買春行為をしたとして逮捕。
警部補が部下へのセクハラで減給処分。
酒気帯び運転で逮捕された少年を誤認逮捕。
警察官3人が捜査書類の偽造で書類送検。

2021年

サイバー犯罪対策課が公式ツイッターで不適切な投稿をし謝罪。
南さつま警察署の警官が自殺し、長時間労働とパワハラが原因と認定。
奄美署管内で誤った道路標識に基づき誤った反則告知。
東京オリンピック警備派遣中のパトカーが追突事故。
男性警官が女性警官宅に侵入、また児童ポルノ所持で逮捕。

2022年

鹿児島中央警察署の警察官が拾得物の現金を横領し逮捕。
西警察署のパトカーが中学生と衝突事故を起こし、中学生が骨折。

2023年

種子島宇宙センターで県警ヘリが警戒区域に侵入し、ロケット打ち上げが遅延。
中央警察署の巡査が大麻所持で逮捕。
パトカーが信号待ちの軽自動車に追突事故。
鹿屋警察署の警部補が勤務中にゴルフ練習場で練習をしていたことが発覚。
姶良警察署の巡査部長が捜査書類を偽造し書類送検。
西警察署の巡査長が女児へ性的暴行をしたとして逮捕。
霧島警察署巡査部長が女性へのストーカー行為で書類送検。

2024年

新型コロナ療養施設で女性の個人情報が漏えい。
捜査内部資料が外部に流出し、警察官が逮捕。
結婚詐欺の被害を警察署が不受理。
警備部課長補佐が不同意わいせつの疑いで逮捕。
枕崎警察署の巡査部長が盗撮で逮捕。
姶良警察署交通課の元巡査長が虚偽の公文書作成容疑で在宅起訴。
前生活安全部長が守秘義務違反の疑いで逮捕。
県警が速やかな捜査書類の廃棄を促す内部文書を作成していたことが発覚。
インターネットメディアが捜査関係先として県警から家宅捜索を受け、内部文書を強制削除される。
南さつま署の巡査長が酒気帯び運転で停職処分。

これらの不祥事は、県民の警察への信頼を大きく損なうものであり、再発防止と信頼回復に向けた取り組みが求められています。

未解決事件

鹿児島県内では、以下の未解決事件も存在します。

鹿児島市田上台強盗殺人事件
阿久根市大川強盗殺人事件
鹿児島市設計事務所毒物混入事件
ファミリーマート荒田一丁目店強盗事件
鹿児島天文館事件
鹿屋市女性殺人死体遺棄事件
鹿児島中央駅切りつけ事件

まとめ

鹿児島県警察は、県民の安全を守る重要な役割を担っていますが、近年は不祥事が相次いで発生しています。これらの問題を解決し、県民からの信頼を取り戻すためには、組織全体の意識改革と透明性の向上が不可欠です。

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