鹿島宗二郎

鹿島 宗二郎について

鹿島宗二郎（かしま そうじろう、1904年6月13日 - 1980年6月1日）は、日本の著名な諜報員、著述家、翻訳家です。彼はまた、吉田東祐という別名や高杉三郎という筆名でも知られています。宗二郎の生涯は、彼の独特なキャリアと共に、戦前から戦後にかけての日本の歴史に深く根ざしています。

人物・経歴

鹿島は東京に生まれ、東京府立第四中学校を卒業後、1927年に東京商科大学を卒業しました。その後、鉄鋼会社に就職しますが、共産主義に対する関心から退社し、横浜専門学校で教授職を経験します。さらに、第一飛行学校の理事も務めました。しかし、次第に教壇を追われることになり、古本屋を開くことになります。彼は日本共産党に入党し、特に中央委員会直属特別資金局B班に所属しました。

宗二郎は逮捕され、執行猶予の判決を受けました。1936年には中国に渡り、当時の日本陸軍の中で上海租界に潜入し、情報網を築くことで、日中戦争開戦後には和平交渉に参加しました。彼は中国建設青年隊での常任顧問や、上海申報社の論説委員長として活動し、1946年には日本に帰国します。

1948年からは愛知大学の理事として財務を担当し、その後、国際問題研究所中国部長としても活動しました。吉田内閣の下では辰巳栄一のもとで諜報員としても働きました。1956年からは国士舘大学の教授を勤めましたが、解雇されることとなり、関東短期大学や国士館短期大学、国際商科大学等の教授職も歴任します。

著書

鹿島宗二郎の著作は数多く、特に中華人民共和国や日中戦争に関するものが多く見られます。

• - 『ジヤーナリズム論争 文化運動の積極的批判として』（三一書房、1936年）
• - 『日華問題の全面的解決の爲めに 第2輯』（上海 : 中国建設青年隊、1944年）
• - 『上海無辺 一つの中国近代史』（中央公論社、1949年）
• - 『周仏海日記 中日戦争の裏面史』（建民社、1953年）
• - 『新中国史 北京原人から毛沢東まで』（洋々社、1954年）
• - 『中国革命の百八人 毛沢東とスターリンの対決』（元々社、1956年）
• - 『日中戦争 日本人諜報員の闘い』（潮書房光人新社、2022年）

彼の書籍は、戦争や政治の複雑な側面を理解するための貴重な資料となっています。

訳書

翻訳家としても活動していた宗二郎は、以下のような訳書を残しました。

• - 『日本の赤い旗 日本共産党三十年史』（R・スウェアリンゲン, P・ランガー共著、コスモポリタン社、1953年）
• - 『中国革命の悲劇』 上・下（ハロルド・R・アイザックス、至誠堂、1966年）

鹿島宗二郎は、戦争や外交の舞台裏を知り、その経験をもとに多くの著作を通じて日本国内外に影響を与えました。彼の活動は、歴史の中で重要な位置を占めており、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

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