黒海地方 (トルコ)

黒海地方（トルコ）

黒海地方は、トルコ北部に位置し、北は黒海に面しています。東はジョージアとの国境に接し、南東は東アナトリア地方、南は中央アナトリア地方、西はマルマラ地方と隣接しています。この地方は、その地理的特徴と気候から、トルコの中でも独特な景観と文化を持っています。

構成する県

黒海地方は、以下の県で構成されています。

アルトヴィン県
バルトゥン県
バイブルト県
ボル県
チョルム県
デュズジェ県
ギレスン県
ギュミュシュハーネ県
カラビュック県
カスタモヌ県
オルドゥ県
リゼ県
サムスン県
スィノプ県
トカット県
トラブゾン県
* ゾングルダク県

人口

2000年の時点で、黒海地方の人口は8,439,213人でした。都市部と農村部の人口はほぼ同数で、人口は緩やかな増加傾向にありますが、トルコ全体の増加率に比べると低い水準です。

地理

黒海地方は、険しい地形が特徴で、岩が露出した海岸線と急流が渓谷を形成しています。ポンティス山脈が地域を縦断しており、多くの支流が広い川に流れ込んでいます。西部には3000m級のカッカル山脈があり、東部には1500～1800m級の山々が連なっています。これらの山々は内陸から海岸線まで麓が続いているため、内陸部から海岸への交通は、山間部の狭い谷を通る道に限られています。東部では山地は低くなり、1500mを超えることは少ないですが、東部ほど標高が高くなり、リゼの南では3000mを超える山々も見られます。

夏は湿度が高く、暑いのが特徴です。黒海からの湿った空気の影響で、北向きの山々では降水量が多く、森林が濃密に繁っています。森林には常緑樹と落葉樹が混在しており、冬には雪が多く降るため、スキーも盛んです。一方、南向きの山麓は乾燥しており、木が少ないです。北アナトリア山脈は、黒海沿岸に沿って高地を形成しており、長い地溝のような渓谷と盆地が特徴的です。

このような自然環境が、黒海地方の歴史と文化を独特なものにしてきました。

特徴

黒海地方の海岸線には、深く耕された肥沃な三角州がいくつか見られます。特に、サムスン県周辺ではタバコ栽培が盛んです。東部地域では柑橘類が栽培され、トラブゾン近郊はヘーゼルナッツの世界的な産地として知られています。リゼではお茶の栽培が行われています。山麓の傾斜地は、農林業や放牧に利用されています。温暖で湿度が高い黒海沿岸地域では、経営型農業が効率的に行われています。西部のゾングルダクは、石炭生産や重工業の中心地です。

豊かな自然に恵まれており、花や生物、森、クレーター湖、川、山など多様な景観を楽しむことができます。ラフティング、カヌー、狩猟、釣り、草スキーなど、さまざまなアウトドアアクティビティが楽しめます。冬にはスキーも盛んです。また、滋養に富んだ水や食べ物が豊富にあります。

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