黒部の太陽 (テレビドラマ)

テレビドラマ『黒部の太陽』

木本正次の同名小説を原作とする『黒部の太陽』は、過去に2度テレビドラマ化されています。1969年版と2009年版、それぞれの特徴と魅力を詳しく解説します。

1969年版

1969年8月3日から10月12日にかけて、日本テレビ系列で放送されました。全11回（当初は全13回の予定でしたが、後述の理由により2回が放送中止）で、モノラル音声のカラー作品です。映画版とは異なり、人間ドラマに重点が置かれ、建設プロジェクトに関わる人々の情熱や、彼らの家族愛が深く描かれています。

キャスト

技師・脇坂：寺田農
芳沢の娘・悦子：吉田日出子
地質学技師・曽根：石原裕次郎
ダム建設事務所次長・芳沢：松下達夫
移動販売車・店主：伊藤雄之助
山垣社長：芦田伸介
有馬稲子
宇野重吉
宍戸錠
斎藤美和

石原裕次郎、宇野重吉、芦田伸介は映画版にも出演していました。

スタッフ

原作：木本正次
監督：吉田憲二、渡邊祐介、鈴木清順、若杉光夫
脚本：岩間芳樹、渡邊祐介、石松愛弘、横光晃
プロデューサー：小林吉男
製作：民芸映画社、萬年社、日本テレビ、石原プロモーション

備考

映画版のフィルムが無断で使用され、問題となりました。
第5話と第7話はスポンサーのクレームにより放送中止となりました。
第9話と第12話は一部撮り直しが行われました。
移動販売車はトヨタ自動車のトヨエースを使用しました。
トンネル出水シーンのセットは東京都練馬区に設置されました。
雪山シーンは長野県戸隠高原や新潟県越後中里で撮影されました。
撮影にはヤマハ発動機が開発中のスノーモビルを提供し、協力しました。

2009年版

フジテレビ開局50周年記念ドラマとして、2009年3月21日・22日に2夜連続で放送されました。主演は香取慎吾と小林薫。豪華キャストと最新VFXを駆使した映像が見どころです。

キャスト

倉松仁志：香取慎吾
滝山薫平：小林薫
沢井甚太：勝地涼
川口文子：深田恭子
滝山幸江：綾瀬はるか
滝山光子：志田未来
大牧：津川雅彦
木塚一利：ユースケ・サンタマリア
ほか多数

エンドロールではキャストが五十音順で表記されています。

スタッフ

制作統括：大多亮
企画：和田行
脚本：大森寿美男
プロデュース：鈴木吉弘、保原賢一郎、菊地裕幸
演出：河毛俊作
音楽：岩代太郎
VFX：ピクチャーエレメント、Motor/lieZ、マリンポストなど

考証不足な点

関西電力の社旗の色が実際と異なっていました。
劇中に登場するカメラやジープの年代が不正確でした。
* 黒部ダムの設計変更に関する描写に矛盾がありました。

まとめ

『黒部の太陽』は、1969年版と2009年版でそれぞれ異なる魅力を持つ作品です。1969年版は人間ドラマを重視し、2009年版は最新技術を駆使した映像で視聴者を楽しませました。どちらも建設プロジェクトに関わる人々の熱意を描いた作品として、多くの人々に感動を与えています。

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