黒金泰義

黒金泰義の生涯

黒金泰義（くろがね やすよし）は、1867年（慶応3年）に米沢藩士の家に生まれ、日本の内務官僚、政治家として活躍しました。彼は、県知事、衆議院議員、函館区長など、多岐にわたる要職を歴任し、日本の近代化に貢献しました。

生い立ちと学歴

黒金泰義は、米沢藩士・黒金泰乗の長男として誕生しました。第一高等学校を経て、1896年に東京帝国大学法科大学法律学科（英法）を卒業しました。この学歴は、彼が官僚としての道を歩む上で大きな基盤となりました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、黒金は内務省に入省し、警視庁属としてキャリアをスタートさせました。1897年には文官高等試験行政科試験に合格し、その後、警視庁警部や各警察署長を歴任しました。山口県や栃木県の警部長、警視庁第二部長も務め、警察官僚としての経験を積みました。1907年には北海道庁に移り、事務官、第五部長、拓殖部長、庶務部長などを歴任し、北海道の発展にも貢献しました。

県知事としての活動

1912年、黒金は群馬県知事に就任しましたが、わずか5ヶ月で休職となりました。1914年に大分県知事として復帰し、佐賀関製錬所の設置を決定しました。この決定は、鉱毒問題で地元からの強い反対運動がありましたが、黒金は設置を強行しました。その後、山口県知事に転任し、道路整備や警察官増員を推進し、県政の発展に尽力しました。しかし、1917年に寺内内閣によって休職となり、官僚としてのキャリアを終えました。

政界への進出

1919年、黒金は函館区長に就任しましたが、1920年の第14回衆議院議員総選挙で山形県第2区から憲政会公認で出馬し当選したため、区長を辞任しました。衆議院議員としては、濱口内閣で鉄道政務次官を務め、憲政会政務調査会長、立憲民政党総務などの要職を歴任しました。1924年の第15回総選挙では落選しましたが、1928年と1930年の総選挙で再選を果たし、衆議院議員を3期務めました。1932年の総選挙で落選し、政界を引退しました。

その他の活動と晩年

1925年から1927年まで、黒金は内閣拓殖局長を務めました。1941年3月24日、73歳で生涯を閉じました。

黒金泰義は、官僚、政治家として、日本の近代化に大きく貢献しました。彼の生涯は、日本の政治史を語る上で欠かせないものです。

栄典と親族

1912年、勲四等瑞宝章を受章しました。子息の黒金泰美は、大蔵官僚、衆議院議員、内閣官房長官として活躍しました。

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