龍虎勢朋

龍虎勢朋：大相撲から芸能界へ、波瀾万丈の生涯

龍虎勢朋（りゅうこ せいほう）は、1941年1月9日生まれの東京都出身。元大相撲力士であり、俳優、タレント、コメンテーターとして幅広く活躍した人物です。本名は鈴木忠清（すずき ただきよ）。186cm、132kgの体格で、最高位は東小結にまで上り詰めました。

大相撲時代の苦闘と栄光

幼少期から恵まれた体格で、両親の意向もあり、1957年1月、花籠部屋に入門。50人もの同期の中で、北の富士と並んで最下位の実力だったと言われています。稽古で倒れる日々が続き、「電柱」と揶揄されることもありました。その後、様々な四股名を経て、1966年5月場所から「龍虎」を名乗り始めます。

若乃花に可愛がられ、独立の際には移籍を希望するも、師匠の許可は下りませんでした。「お前みたいな弱いヤツは連れていけない」と、若乃花に断られた逸話も残っています。

初土俵から66場所目、当時最遅の記録となる幕内昇進を果たすと、新入幕の場所で11勝4敗の好成績を収め、敢闘賞を受賞。大鵬から金星を獲得するなど、活躍を見せます。しかし、1971年11月場所には左アキレス腱断裂の大怪我を負い、幕下まで陥落。この怪我をきっかけに、日本相撲協会は公傷制度を導入するも、龍虎には適用されませんでした。

それでも、並々ならぬ努力で幕下優勝、十両優勝と実績を重ね、1973年7月場所で見事な再入幕を果たします。新横綱・北の湖からも金星を獲得するなど、復活劇を演じました。しかし、1975年5月場所、右アキレス腱断裂により、現役を引退することになります。幕下へ降下した元三役が、破門などの離職を経ずに三役へ復帰した初めてのケースでした。

芸能界での活躍

引退後は年寄16代放駒を襲名しましたが、1977年に廃業。龍虎を芸名に、芸能界入りします。数々の映画やドラマ、時代劇に出演。特に『料理天国』での「おいしいですね」は、彼の代名詞となりました。北島三郎公演など舞台にも出演し、俳優としても活躍。さらに、大相撲コメンテーターとしてテレビ朝日の『スーパーモーニング』などに出演し、その見識の深さと分かりやすい解説で人気を博しました。

1990年頃にはクモ膜下出血で倒れ、2008年には再発。2014年8月29日、家族とのお礼参りの最中に循環器疾患で急逝。73歳でした。葬儀には北の富士を始め、多くの関係者、芸能人が参列しました。

主要な出演作品

映画
嗚呼!!花の応援団シリーズ
こちら葛飾区亀有公園前派出所

テレビドラマ
影同心II
太陽にほえろ!
銭形平次
吉宗評判記 暴れん坊将軍
桃太郎侍
長七郎天下ご免!
峠の群像
源九郎旅日記 葵の暴れん坊
暴れん坊将軍II
魔拳!カンフーチェン
名奉行 遠山の金さん
裸の大将
大江戸捜査網 平成版
暴れん坊将軍V
みのもんたの人生相談デカ

その他のテレビ番組
料理天国
アップダウンクイズ
朝まで生テレビ!
みのもんたの朝ズバッ!
スーパーモーニング
* いい旅・夢気分

龍虎勢朋は、力士として、俳優として、そしてコメンテーターとして、常に全力で人生を駆け抜けた、まさに波瀾万丈の人生を送りました。彼の生き様は、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。

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