龐羲

龐羲の生涯と業績

龐羲（ほう ぎ）は、中国後漢末期の武将であり、政治家として名を馳せた人物です。彼の生没年については明らかではありませんが、司隷河南尹に生まれ、朝廷において議郎として働いていました。彼は劉焉と古くからの交流を持っており、劉家との関係も非常に深いものでした。

彼の活動が明るみに出たのは、興平元年（194年）のことです。この年、彼の義理の子である劉範と劉誕が李傕の討伐を試みた結果、二人は悲劇的に処刑されました。龐羲はその後、子供たちを連れて益州へと逃れ、劉焉の死後には劉璋から巴西太守に任命されました。さらに、彼の娘は劉璋の子、劉循に嫁いだことで、両者の結びつきはさらに強固なものとなります。

龐羲は士を重んじる人物として知られ、多くの才ある人々が彼のもとに集まりました。特に鄧芝は彼の側近として知られる存在です。時には、龐羲は張魯に対抗するために私兵を募集することもありましたが、その際に劉璋から讒訴される事態に直面します。このような不信感から、龐羲は不安を抱き、漢昌県長の程畿に援助を求めますが、程畿は彼の真心を試すべく誠実な応対を促しました。この提案を呑み込めなかった龐羲は、揺れる心情から程郁の命を奪う脅しをかけますが、結局は再度拒絶され、彼は劉璋に謝罪することになります。劉璋もこの謝罪を受け入れる結果となりました。

そして、建安16年（211年）には、張松が劉備を益州に招く際に言及したように、龐羲や李異が外部との接触を求め、自己の軍功に驕りを持つ懸念が挙げられますが、張松が誰に知らしめたのかについては不明です。

最終的に、劉備が益州を平定した後には、龐羲は左将軍司馬として任命され、さらには建安24年（219年）に劉備を漢中王に推挙する際には、営司馬として名を連ねました。

小説『三国志演義』の中の龐羲

小説『三国志演義』でも龐羲は「龐義」として登場し、彼の巴西太守としての活躍が描かれています。物語の中で、彼は張魯の益州進攻を察知し、その情報を劉璋に伝える重要な役割を果たしました。劉備による益州の平定の後には、営中司馬として活躍し、物語のキーとなる人物の一人となっています。

参考文献

• - 『三国志』蜀書1劉焉伝、劉璋伝
• - 同蜀書2先主伝
• - 同蜀書15鄧芝伝、楊戯伝
• - 『華陽国志』卷5劉二牧志

龐羲の生涯は、動乱の時代における人間ドラマを反映しており、彼の行動から当時の政治状況や人間関係の複雑さを伺い知ることができます。

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