054B型フリゲート

054B型フリゲートの概要

054B型フリゲートは、中華人民共和国の人民解放軍海軍が運用する艦級であり、NATOによっては江凱III型フリゲートと呼ばれています。この艦級は、054型フリゲート（江凱I型）と054A型フリゲート（江凱II型）という既存の艦の系譜を基にして進化したものです。

来歴

054A型の大量建造が進んでいた2012年、中国は次世代のフリゲート建造計画に着手しました。まず、中国船舶重工集団（CSIC）は伝統的な設計案を提出したのに対し、中国船舶工業集団（CSSC）は新しい三胴船のデザインを提案しました。その結果、CSICの案が選ばれ、054B型の開発が始まりました。この間に055型駆逐艦も並行して造られ始め、054型の改良版である054AL型も建造されましたが、次世代フリゲートの054B型は2020年頃より本格的に建造が開始されました。

設計

054B型フリゲートは、054A型に比べて総排水量が約50%増加し、より大型化しています。また、055型駆逐艦の技術を活かし、ステルス性能を考慮した新しいマスト設計が施されています。後檣のデザインに関しては、フランスの艦船設計に触発されたとの説があります。推進システムにはガスタービンエンジンと電気推進の組み合わせが使われることが予想されていましたが、最近の報道ではこれが否定されています。

装備

この艦には、高度なフェイズドアレイレーダーが新たに搭載されています。従来のモデルと異なり、デュアルアンテナを持ち回転して全周をカバーします。このレーダーは075型強襲揚陸艦や909A型試験艦にも見られる類似性があります。発射装置（VLS）については、054A型と同様の32セルを装備しており、艦対艦ミサイルにはYJ-83やYJ-12等が考えられています。

艦砲は、一時期信頼性が低かった100mm単装砲を改良した新型が採用され、命中精度や信頼性が向上しています。また、054AL型同様のZ-20F哨戒ヘリコプターを運用できる格納庫が設けられるほか、無人航空機（VTUAV）の発進も可能となるよう、ヘリコプター甲板が拡張されています。

同型艦

054B型フリゲートは、今後中国海軍へと数隻の追加が計画されており、その数は約20隻に上るとも言われています。新たに設計された特徴や装備によって、これは中国海軍の戦力を大きく向上させると期待されています。

まとめ

054B型フリゲートは、中国海軍の最新鋭艦として各種の先端技術を取り入れた結果、性能の向上が図られています。この艦級は、従来の艦設計を超えて、大型化および多様な運用能力を備えており、今後の海上戦闘において重要な役割を果たすことでしょう。

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