11号族

サラブレッドの血統において、11号族は非常に重要な牝系（母系）の一つとして知られています。数多くの名馬を輩出してきたこの一族は、その歴史と輝かしい功績から、競馬ファンにとって大きな関心を集めています。

11号族の起源は、17世紀末のミス・ベティー・ダーシーズ・ペット・メアという牝馬にまで遡ります。しかし、その母であるセドバリー・ロイヤル・メアを始祖とする説もあります。興味深いことに、セドバリー・ロイヤル・メアは、別の系統である13号族のオールド・グレー・ロイヤルと同一馬であるという説も存在しています。遺伝子解析の結果、当初は13号族と同じB2系統のmtDNAハプロタイプを持つことが確認されましたが、現在の研究では異なる系統であるという見解が主流となっています。

11号族は、イギリスの競馬界でその名を知らしめる数々の名馬を生み出しました。その代表格として挙げられるのは、セントサイモン、バードキャッチャー、そしてウォーアドミラルです。これらの馬は、それぞれ競走馬としてだけでなく、種牡馬としても大きな成功を収め、11号族の地位を不動のものにしました。また、オーム、アカテナンゴ、レギュラス、ジャイアンツコーズウェイ、ピルサドスキー、サンダーガルチといった名馬も、この一族から生まれています。

日本においても、11号族は大きな影響を与えています。レダ、スターロッチとその子孫、そして日本競馬史に輝くシンボリルドルフ、ミホノブルボン、ジャングルポケット、デュランダル、ファインモーション、フェノーメノといった名馬が、この一族に属しています。これらの馬は、数々の重賞競走を制覇し、日本の競馬界に大きな足跡を残しました。その活躍は、11号族の優秀さを改めて証明するものです。

このように、11号族はイギリスと日本の競馬界において、長きに渡りその血統の優秀性を示し続けてきました。数多くの名馬を輩出し、現代競馬にまで大きな影響を与えているこの一族の歴史と功績は、競馬ファンにとって常に興味深いテーマであり続けるでしょう。その系譜をたどることは、サラブレッドの歴史と、競走馬の血統に対する理解を深める上で非常に有益です。今後の競馬界においても、11号族から新たな名馬が誕生する可能性は高く、その動向から目が離せません。11号族の系譜は、競馬の歴史と進化を語る上で欠かせない重要な要素なのです。

もう一度検索