1880年の相撲

1880年（明治13年）は、相撲界にとって重要な出来事がいくつかありました。この年の相撲界の動向を、興行、誕生、死去の観点から詳細に見ていきましょう。

興行

1880年には、東京と大阪で相撲興行が開催されました。

1月場所（東京相撲）
場所：本所回向院
内容：晴天10日間興行

5月場所（東京相撲）
場所：本所回向院
内容：5月20日より晴天10日間興行

9月場所（大阪相撲）
場所：難波新地

これらの興行は、当時の相撲の人気と隆盛を物語っています。特に東京では、本所回向院が興行の中心地となっており、多くの観客が相撲を楽しんだことでしょう。大阪での興行も、相撲文化が全国に広がっていたことを示しています。

誕生

この年、後の相撲界を彩る多くの力士たちが誕生しました。以下にその主な力士たちを紹介します。

1月3日 - 大緑 仁吉
最高位：前頭3枚目
所属部屋：高砂部屋
没年：1954年（昭和29年）

2月6日 - 2代 西ノ海 嘉治郎
第25代横綱
所属部屋：井筒部屋
没年：1931年（昭和6年）

10月25日 - 大ノ川 甚太郎
最高位：小結
所属部屋：君ヶ濱部屋→出羽ノ海部屋
没年：1917年（大正6年）

12月13日 - 駒ヶ嶽 國力
最高位：大関
所属部屋：井筒部屋→関ノ戸部屋→井筒部屋
没年：1914年（大正3年）

12月20日 - 平ノ石 辰治郎
最高位：前頭4枚目
所属部屋：玉垣部屋→尾車部屋→峰崎部屋
没年：1925年（大正14年）

これらの力士たちは、それぞれの時代で相撲界を盛り上げ、多くのファンを魅了しました。特に、2代西ノ海嘉治郎は横綱まで昇進しており、その活躍は特筆すべきものです。

死去

一方で、相撲界の発展に貢献した人物がこの世を去った年でもありました。以下にその主な人物を紹介します。

9月2日 - 6代 式守 伊之助
役職：立行司
生年：1814年（文化11年）

10月21日 - 藤田川 利助
最高位：前頭3枚目
所属部屋：湊川部屋
生年：1845年（弘化2年）

6代式守伊之助は、立行司として長年にわたり相撲を支え、藤田川利助も力士として活躍しました。これらの人物の死は、相撲界にとって大きな損失であり、その功績は今も語り継がれています。



1880年は、相撲界にとって新たな才能が芽生え、同時に歴史を築いた人々が去った、変化の年であったと言えるでしょう。この年の出来事は、後の相撲界に大きな影響を与え、その後の発展に繋がっていきました。

参考文献

酒井忠正『日本相撲史 中巻』ベースボール・マガジン社、1964年6月1日。

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