湊川部屋

湊川部屋の歴史

湊川部屋（みなとがわべや）は、かつて存在した日本の相撲部屋であり、豊かな歴史を有しています。この部屋は、幕内力士や関脇を数多く輩出し、相撲界において大きな存在感を示していました。

沿革と創立

湊川部屋の創設者は、雷部屋に所属していた幕内力士の由良ノ海楫五郎です。彼は二枚鑑札を持つ力士として独立し、相撲部屋の経営を始めました。創設後、嘉永5年（1852年）10月には3代目の湊川が死去し、初代湊川の跡を継いだのは幕下の藤ノ戸亀吉でした。その後、文久3年（1863年）7月に4代目湊川が亡くなると、これに続いて十両の茂り山が部屋を継承し、名前を湊川四良兵衞に改めました。彼はその後、幕内力士の鬼ヶ﨑綱之助などを育てるなど、部屋の発展に寄与しました。

部屋の閉鎖と再興

しかし、1890年（明治11年）2月に5代湊川が亡くなると、部屋は閉鎖され、所属していた力士たちは八角部屋に移籍しました。その中には、後の幕内力士・小天竜与三郎も含まれていました。

その後、大正初期には関脇の綾浪源逸が再び湊川部屋を興しました。彼の指導の下、綾錦由之丞や楢錦政吉といった個性豊かな力士たちが誕生しました。しかしながら、1927年（昭和2年）10月に親方である綾浪が亡くなると、部屋内で後継者を巡る争いが始まり、最終的には親方の弟子たちが追手風部屋や振分部屋に預けられる事態となりました。

合併と再度の閉鎖

特にこの期間中、力士の育成において綾錦は中堅どころの力士を支え、相撲界においての存在感を高めました。さらに、二所ノ関部屋の玉錦が若い頃に問題を抱えた際、綾錦は彼を庇い助けました。この恩義を感じた玉錦はその後、財政的に厳しかった湊川部屋を支援し、綾錦の弟子たちを二所ノ関部屋の力士と同等に扱うことを約束しました。

こうした経緯を経て、湊川部屋は1948年5月場所をもって閉鎖され、二所ノ関部屋に吸収されることとなりました。この間、二所ノ関部屋の幕内十勝岩豊が湊川部屋の株を継承し、1953年（昭和28年）5月に再び部屋を設立しました。この新たな湊川部屋では幕内力士の大龍志郎が育成されましたが、部屋別総当たり制の導入を迎える前に、1965年（昭和40年）1月にまた閉鎖され、二所ノ関部屋に戻ることとなります。

これらの歴史を経て、湊川部屋は相撲界に多大な影響を与えつつも、数度の変遷を辿ることとなりました。

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