1909年の相撲

1909年の相撲

1909年（明治42年）は、相撲界にとって重要な出来事が多数あった年です。この年、東京相撲の常設興行場所として両国国技館が完成し、相撲界は新たな時代を迎えました。また、成績優秀者に対する公式な表彰が始まったのもこの年からです。

両国国技館の完成と新たな表彰制度

6月場所から、両国国技館での興行が開始されました。この場所から、幕内力士の取組で総勝星が多い片屋に優勝旗が授与されることになりました。さらに、片屋の関脇以下の最優秀力士が旗手を務め、東西を通じての最優秀力士には時事新報社から写真額が贈られるという、公式な表彰制度がスタートしました。これは、相撲の興行をより盛り上げ、力士たちのモチベーションを高めるための画期的な試みでした。

2月1日には、両国国技館の開設に合わせて、相撲の申合規約が改正され、より整備された運営体制が構築されました。

学生相撲の始まり

7月25日には、佐多愛彦の提唱により、大阪の浜寺公園海水浴場で初の学生相撲大会が開催されました。この大会は大阪毎日新聞が主催し、学生相撲の普及に大きく貢献しました。学生相撲は、後の相撲界を担う人材を育成する上で重要な役割を果たすことになります。

台覧相撲

5月27日には、水交社で行われた海軍記念日の祝賀宴で、皇太子嘉仁親王（後の大正天皇）が相撲を観覧されました。この台覧相撲は、相撲が日本の伝統文化として社会的に認知される上で大きな意味を持つ出来事でした。

本場所の開催

1909年には、東京相撲と大阪相撲でそれぞれ本場所が開催されました。東京相撲は1月と6月に、大阪相撲は1月と5月にそれぞれ10日間興行が行われました。6月場所では、東西対抗戦が行われ、東方が89対59で勝利し、高見山酉之助が旗手を務めました。また、個人優勝も高見山が獲得しました。

さらに、6月には京都の四条磧で、三都合併相撲が7日間興行されました。

両国国技館の開館式では、幕内力士による取組が披露され、新設された国技館を盛り上げました。

各場所詳細

1月場所（東京相撲）：東両国元町、1月7日より10日間
1月場所（大阪相撲）：難波新川土橋西詰、10日間
5月場所（大阪相撲）：難波新川土橋西詰、10日間
6月場所（東京相撲）：東両国元町、6月5日より10日間
6月場所（三都合併相撲）：四条磧、6月20日より7日間

1909年生まれの主な力士

1909年には、後に活躍する数々の力士が誕生しました。その中には、横綱まで上り詰めた武藏山武や、日本相撲協会理事長を務めた出羽ノ花國市などがいます。この年は、相撲界にとって人材豊富な年でした。

1月17日 - 番神山政三郎
3月1日 - 出羽ノ花國市
3月6日 - 鳴海潟陸奥雄
4月1日 - 筑波嶺清平
4月20日 - 武ノ里武三
7月29日 - 防長山源治
8月5日 - 松前山熊義
9月1日 - 25代木村庄之助
9月20日 - 大ノ濱勝治
10月1日 - 駒ノ里秀雄
10月5日 - 佐渡ヶ嶌林蔵
10月31日 - 土州灘浪五郎
11月2日 - 小野錦仁之助
11月20日 - 綾若真生
11月29日 - 松ノ里直市
12月5日 - 武藏山武
12月13日 - 若港三郎

まとめ

1909年は、相撲界にとって大きな転換期となった年でした。両国国技館の完成、公式表彰制度の開始、学生相撲の始まりなど、相撲の発展に寄与する多くの出来事がありました。また、この年に生まれた多くの力士たちが、後の相撲界を大きく盛り上げていくことになります。1909年は、相撲の歴史において重要な意味を持つ年と言えるでしょう。

もう一度検索