番神山政三郎

番神山政三郎：激動の時代を生きた力士

番神山政三郎（ばんしんざん せいざぶろう）は、1909年1月17日に新潟県刈羽郡（現在の柏崎市）で生まれ、1982年1月7日に72歳で亡くなった元大相撲力士です。本名は長谷川政三郎といいます。

生い立ちと入門

尋常高等小学校を卒業後、前橋の造り酒屋で奉公していましたが、周囲の勧めで出場した宮相撲で優勝したことがきっかけで、雷部屋の元力士・群馬ヶ嶽に見出され、1927年1月場所で初土俵を踏みました。しかし、入門からわずか半年後、雷親方が亡くなったため、所属していた力士たちは白玉部屋へ転属、その後、白玉親方も亡くなったため、八角部屋へと再転属するなど、目まぐるしく環境が変わりました。

十両昇進と春秋園事件

度重なる部屋の移籍にもめげず、番神山は着実に力をつけていき、1930年5月場所で新十両へと昇進しました。しかし、1932年1月6日に春秋園事件が起こると、彼は一時的に日本相撲協会を脱退することになります。翌年1月場所で協会に帰参し、十両格別席として土俵に戻ると、その場所で10勝1敗という好成績を収めました。しかし、同じく帰参組であった綾曻竹藏も同点で並んだため、当時制度外ながら優勝決定戦が行われ、惜しくも敗れましたが、1934年1月場所で新入幕を果たしました。

幕内での活躍と引退

幕内では、堂々とした体格を生かした強烈な突っ張りを得意とし、1934年5月場所の天覧相撲では優勝を遂げ、「太刀山の再来」と将来を嘱望されました。しかし、胃腸の病気に苦しみ、三役昇進を果たすことはできませんでした。最高位は前頭2枚目でした。それでも、1936年1月場所では、新横綱の武藏山武を下手捻りで破り、金星を獲得するという殊勲の星もあげています。

1941年5月場所で幕下陥落が決まると、現役を引退し、年寄・雷を襲名しました。伊勢ヶ濱部屋所属の年寄として活動した後、戦後は一時的に雷部屋を経営し、明治時代からの「名門・雷部屋」を復興させようとしましたが、まもなく部屋を閉鎖し、立浪部屋所属の年寄として、定年退職まで後進の指導に当たりました。

主な成績

通算成績: 119勝139敗1分10休 勝率.461
通算幕内成績: 57勝73敗1分 勝率.438
通算在位: 26場所
幕内在位: 11場所
金星: 1個（武藏山武）
各段優勝: 幕下優勝1回（1931年1月場所）

幕内対戦成績

(具体的な対戦成績は省略)

※ 新海との引き分けが1つあります。

関連項目

* 大相撲力士一覧

番神山政三郎は、数々の困難を乗り越え、大相撲の世界でその名を刻んだ力士でした。激動の時代を生き抜き、その強烈な突っ張りで多くのファンを魅了した彼の功績は、今もなお語り継がれています。

もう一度検索