1928年のメジャーリーグベースボール

1928年のメジャーリーグベースボールの概要

1928年は、メジャーリーグベースボール（MLB）にとって特筆すべき年であり、多くのドラマが展開された。この年のシーズンは、4月10日に始まり、10月9日に全日程が終了した。アメリカンリーグではニューヨーク・ヤンキースが3年連続のリーグ優勝を果たし、ナショナルリーグではセントルイス・カージナルスが2年ぶりにタイトルを勝ち取った。

アメリカンリーグの優勝争い

ヤンキースは、この年も101勝をあげてリーグのトップとなった。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。シーズン後半には多くの選手が故障し、一時は2位のアスレチックスに13ゲーム差をつけるも、アスレチックスの好調により逆転の危機にさらされました。それでも最終的にはアスレチックスに2.5ゲーム差で優勝を逃げ切りました。アスレチックスのレフティ・グローブは、24勝を上げて183奪三振を記録し、翌年の成功へと繋がる足掛かりを作りました。

ナショナルリーグの競争

ナショナルリーグでは、セントルイス・カージナルスが前年のサイクルヒッター・ロジャース・ホーンスビーを放出し、フランキー・フリッシュを獲得。フリッシュは前年に打率.337を記録し、ホーンスビーの穴を埋める活躍を見せました。また、2年前にパイレーツを勝たせたビル・マケシュニーが新監督としてチームを指揮し、フリッシュやボトムリー、モランビルらが活躍を見せ、ジャイアンツとの熾烈な首位争いの末、2ゲーム差でリーグ優勝を達成しました。

ワールドシリーズの結果

ワールドシリーズでは、ヤンキースが強さを示し、カージナルスに対して前年と同様の4勝0敗という成績で勝利しました。これによりヤンキースは3度目のシリーズ制覇を果たしました。このシリーズでのヤンキースの強さは、次第にその後の時代を予感させるものでした。

個人タイトルと著名選手たち

この年のアメリカンリーグ最優秀選手（MVP）は、非優勝チームであるアスレチックスのミッキー・カクレーンが受賞しました。この時期のMVP選考は各チームから1名が投票権を持つ形式で行われていましたが、受賞経験のある選手は次年まで対象外でした。これによって前年のベーブ・ルースは受賞を逃しました。

ルースはこの年も42本塁打を記録するペースでスタートしたものの、踵の痛みから敗北を喫し、最終的には54本でシーズンを終えました。ルー・ゲーリッグも同じく打点142を記録し、共にタイトルを獲得しました。一方、カージナルスのジム・ボトムリーは打率.325、31本塁打、打点136でナショナルリーグMVPに輝く活躍を見せ、メジャーリーグ史上2人目の「20-20-20」を達成しました。

記録と歴史

10月9日、ワールドシリーズ第4戦でルースは1試合3本の本塁打を打ち、これがワールドシリーズ史上2度目の偉業となりました。これから49年後にレジー・ジャクソンが同じ記録を達成するまで、この記録は長らく破られませんでした。

1928年のMLBは、チームと選手が共に素晴らしい成績を収めたことで、今後のベースボールの発展へと繋がる重要な年となりました。贅沢な名勝負と個人の栄光が交錯した1928年のシーズンは、ファンの心に深く刻まれることとなったのです。

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