1951-1952シーズンのNBA

1951-1952シーズン NBA

1951年から1952年のNBAシーズンは、NBAにとって6回目のシーズンであり、1951年11月1日に開幕し、1952年4月25日に全日程を終えました。

シーズンの主な出来事

このシーズンには、NBAの将来に大きな影響を与える出来事が2つありました。

制限区域の拡大

1つは、制限区域（ペイントエリア）の拡大です。NBA（当時はBAA）の創設以来、試合は常にジョージ・マイカンのようなビッグマンが支配していました。前シーズンのチャンピオンであるロチェスター・ロイヤルズのアーニー・ライゼンなど、優秀なセンターを擁するチームが成功を収めていました。リーグは、マイカンの支配力があまりにも大きかったため、センターの活動範囲を制限する必要がありました。そこで、フリースローレーンの幅を6フィートから12フィートに拡大し、制限区域を大幅に広げました。これにより、ゴール下を主戦場とするセンターは、以前のように長時間そのエリアに留まることができなくなりました。この変更はすぐに影響を及ぼし、得点王争いの様相を大きく変えました。

カレッジ・バスケのスキャンダル

もう1つの大きな出来事は、NBAの外で発生しました。それは、NBA最大のライバルであり、当時アメリカのバスケットボール界で主流であったカレッジ・バスケのスキャンダルです。1951年1月、カレッジ・バスケの選手が1949-50シーズン中に八百長を行い、金銭を受け取っていたという疑惑が浮上しました。事件は拡大し、様々な不正が発覚して逮捕者が続出し、一大スキャンダルへと発展しました。事態を重く見たアリーナのオーナーたちは、アリーナからカレッジ・バスケを締め出しました。そして、その空いたスケジュールを埋めるために招かれたのがNBAでした。当時、まだマイナーな存在であったNBAが、全米のバスケットボールファンに認知されるきっかけとなりました。多くのカレッジ・バスケの試合が中止された時期に、バスケットボールファンはNBAの試合を観戦するようになったのです。その後、カレッジ・バスケの人気はすぐに回復し、カレッジ・バスケがNBAよりも上位に位置するという状況は変わりませんでしたが、このスキャンダルはNBAの知名度を飛躍的に向上させる重要な出来事となりました。

ドラフト

1951年のドラフトでは、ジーン・メルチオーレがボルティモア・ブレッツから全体1位指名を受けましたが、NBAではプレーしませんでした。メル・ハッチンスやドン・サンダーレイジなども指名を受けました。また、ニール・ジョンストンがドラフト外でNBA入りを果たしています。

その他

トライシティーズ・ブラックホークスがイリノイ州からミルウォーキーに移転し、ミルウォーキー・ホークスと改称しました。ワシントン・キャピトルズが前シーズンの途中に解散したため、2つのディビジョンに10チームが所属する形となりました。レギュラーシーズンは66試合行われ、各ディビジョンから上位4チームがプレーオフに進出しました。

シーズン概要

制限区域の拡大により、ポール・アリジンが得点王の座をジョージ・マイカンから奪い、自身初の得点王に輝きました。アリジンは身長193cmのスモールフォワードであり、センター以外の選手が得点王を獲得したのはマックス・ザスロフスキー以来のことでした。アリジンの得点王獲得は、ジョー・ファルクスによってNBAに広められたジャンプシュートの重要性を知らしめる結果となりました。マイカンの得点王陥落には、足首の怪我も影響していました。

イースタン・ディビジョンでは、NBA初代チャンピオンであるフィラデルフィア・ウォリアーズが大きく凋落し、代わりにドルフ・シェイズを中心に、新たにレッド・ロシャとジョージ・キングを獲得したシラキュース・ナショナルズが大きく躍進しました。

前シーズンにロチェスター・ロイヤルズに敗れ、3連覇を逃したミネアポリス・レイカーズは、今シーズンに制限区域が拡大されたことでジョージ・マイカンの得点力が低下し、その時代は終わったかのように見えました。しかし、マイカンは制限区域の拡大によってプレーが制限されるどころか、むしろオフェンスの自由度が増したと語りました。レイカーズはディビジョン決勝で宿敵ロイヤルズを破り、2年連続でファイナルに進出したニューヨーク・ニックスを破って、1年ぶりに王座に返り咲きました。

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