1961年-1975年の国鉄ダイヤ改正

1961年-1975年 国鉄ダイヤ改正：輸送絶頂期の変遷

1961年から1975年は、日本国有鉄道（国鉄）が輸送の絶頂期を迎えた時代であり、数々のダイヤ改正が実施されました。この期間は、東海道新幹線の建設、主要幹線の電化・複線化、車両の近代化が急速に進められた時期であり、日本の鉄道史において重要な転換点となりました。

1961年：特急網拡大の幕開け

3月1日、全国ダイヤ改正では、急行・準急列車の増発と見直しが行われました。特急「はつかり」の速度向上、東海道本線の優等列車電車化も実施。

10月1日、「サンロクトオ」と呼ばれる大規模な白紙ダイヤ改正が行われ、気動車特急が全国主要線区で運行開始。急行・準急も大幅に増発され、特急網が大きく拡大しました。

1962年：各地で特急・急行新設

6月10日、北陸本線と山陽本線の電化完成に伴い、特急「白鳥」の時間短縮や急行新設。東京〜大阪間の「つばめ」が広島まで延伸、急行「宮島」も運行開始。

10月1日、特急「みずほ」と急行「あかつき」が定期列車化。「フェニックス」が九州を3分の2周する形で新設。

12月1日、中央本線・信越本線でダイヤ改正。急行「赤倉」が名古屋〜新潟間で直通運行開始。

1963年：電化進展と準急の急行格上げ

4月20日、北陸本線の電化区間延伸により、電車急行が誕生。

6月1日、東京以西・以北各線で小規模改正。電化区間増加に伴い、電車急行が増加。準急の急行格上げも顕著に。

10月1日、全国各線でダイヤ改正。東海道本線では新幹線開業前の最後の増発。夜行急行の寝台列車化、信越本線では碓氷峠のアプト式廃止に伴う速度向上が図られました。

1964年：東海道新幹線開業

3月20日、東北で準急の急行化が進められる。

10月1日、東海道新幹線が東京〜新大阪間で開業。「ひかり」「こだま」が毎時1本運行。東海道本線の輸送力が抜本的に改善され、国鉄の技術力が世界に示されました。

1965年：新幹線本格稼働とみどりの窓口開設

3月1日、紀勢本線で特急「くろしお」が誕生。

10月1日、新幹線と昼行特急の新設・増発。「みどりの窓口」が開設され、オンラインでの座席指定券販売が開始。

11月1日、東海道新幹線の徐行運転が解除され、東京〜大阪間3時間10分運転が開始。

1966年：料金制度改変と特急列車の新設

3月5日、料金制度が改変。100kmを超える準急は急行に格上げ。

3月10日、東海道新幹線で列車増発。

10月1日、中央本線・信越本線で特急「あずさ」「あさま」が新設。その他にも「とき」「雷鳥」が増発。

1967年：昼夜兼用寝台電車登場

3月1日、北海道で特急「北海」が新設。

10月1日、全国規模のダイヤ改正。581系電車が寝台特急「月光」と昼行特急「みどり」で運行開始。九州内特急「有明」も運行開始。上越線で「とき」が時間短縮。新幹線も増発。

1968年：ヨンサントオによる大増発

10月1日、東北本線全線電化・複線化を機に、「ヨンサントオ」と呼ばれる白紙ダイヤ改正が実施。多くの路線で列車が増発され、速度も向上。準急列車が完全に消滅しました。

1969年：等級制廃止と特急網拡充

4月25日、東海道新幹線三島駅開業により、伊豆方面でダイヤ改正。東京〜伊豆急下田間に特急「あまぎ」が新設。

5月10日、等級制が廃止され、モノクラス制に移行。

10月1日、新幹線と接続列車の増発。特急「北越」「いなほ」「ひたち」が新設。

1970年：大阪万博と鹿児島本線全線電化

3月1日、大阪万博に伴い、臨時列車「エキスポこだま」を設定。「ひかり」を16両編成に延長。

10月1日、鹿児島本線全線電化などにより全国規模でダイヤ改正。新幹線・特急・急行が増発。関西圏で新快速が運転開始。

1971年：特急列車の増発と電化区間拡大

4月26日、特急「おき」が新大阪〜出雲市間で運行開始。「しらさぎ」「しなの」など一部の特急が増発。

7月1日、北海道で急行「さちかぜ」が札幌〜旭川間で運行開始。

10月1日、奥羽本線秋田〜青森間電化完成に伴うダイヤ改正。

1972年：山陽[[新幹線]]開業とエル特急誕生

3月15日、山陽[[新幹線]]新大阪〜岡山間開業に伴い、ダイヤ改正。山陽本線の優等列車が削減される一方、岡山以西で列車増発。四国初の特急「しおかぜ」「南風」が新設。

7月15日、総武本線が東京駅に地下線で乗り入れ。房総各線の特急「わかしお」「さざなみ」が新設。

10月2日、白新線・羽越本線全線電化完成により日本海縦貫線が全線電化。全国規模のダイヤ改正。「エル特急」が導入。北海道で特急「オホーツク」が新設。

1973年：首都圏新路線開業と特急増発

3月1日、東京以西で列車が増発。

4月1日、東京駅新幹線工事の影響で、東北・常磐・高崎線方面の特急が上野発着に統一。武蔵野線が開業。

7月10日、中央西線電化完成に伴うダイヤ改正。381系電車が特急「しなの」に投入。

10月1日、四国・九州を除くほぼ全域でダイヤ改正。山陽本線岡山以西で優等列車が増発。東北・高崎線でパターンダイヤ導入。

1974年：寝台特急増発と労使対立

4月25日、日豊本線が宮崎まで電化。特急「日向」が電車化。特急「おおよど」が新設。山陽本線で寝台特急が増発。労使対立により改正が延期。

1975年：山陽[[新幹線]]全通と国鉄改革へ

3月10日、山陽[[新幹線]]岡山〜博多間開業。山陽本線の優等列車が大幅に削減。

7月18日、北海道初の電車特急「いしかり」が運行開始。特急「つばさ」の電車化も図られる。

11月20日、グリーン料金が大幅に値上げ。労使関係悪化によりストライキが発生。

12月14日、室蘭本線で蒸気機関車牽引の最後の旅客列車が運行。

12月24日、夕張線で蒸気機関車牽引の最後の貨物列車が運行。これにより蒸気機関車は本線から姿を消し、国鉄の動力近代化計画が完了。しかし、国鉄の財政は悪化し、増発中心から供給調整へと方針が転換。国鉄改革への道を歩むことになりました。

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