1977年ウィンブルドン選手権

1977年ウィンブルドン選手権：激闘の軌跡

1977年、イギリス・ロンドン郊外のオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブでは、ウィンブルドン選手権が開催されました。6月20日から7月2日までの期間、世界中のトップ選手たちが集結し、熱戦を繰り広げました。

大会概要

男子シングルスは128名、女子シングルスは96名（うち32名が1回戦不戦勝）の選手が参加。それぞれ7回戦制で争われました。男子は16名、女子は12名の選手がシードとして出場しました。シード選手の中にも、1回戦から出場する選手と、2回戦から出場する選手がおり、大会を盛り上げました。

主要選手の活躍

男子シングルスでは、前回優勝者のビョルン・ボルグがジミー・コナーズとの決勝を制し、見事大会2連覇を達成しました。コナーズは準優勝に終わりました。この大会では、当時18歳だったジョン・マッケンローが予選から勝ち上がり、ベスト4という快挙を成し遂げました。予選勝者がシングルス4強入りを果たしたのは、ウィンブルドン選手権史上初のことでした。また、他の注目選手としては、準決勝まで進出したビタス・ゲルレイティスや、ベスト8入りしたイリ・ナスターゼ、フィル・デントらがいました。一方、シード選手の中には、ロスコー・タナー、ハロルド・ソロモンらが1回戦で敗退するなど、波乱もありました。

女子シングルスでは、バージニア・ウェードが優勝しました。これは、イギリス人選手による最後のウィンブルドン優勝となり、歴史的な勝利となりました。準優勝はベティ・ストーブ。オランダ人女性として初の決勝進出を果たしましたが、優勝はなりませんでした。ストーブは、この大会で女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3部門で準優勝という結果に終わりました。その他、クリス・エバート、マルチナ・ナブラチロワ、スー・バーカー、ビリー・ジーン・キング、ロージー・カザルス、ケリー・レイドといった強豪選手たちも活躍しました。

準々決勝、準決勝、決勝

男子シングルス

準々決勝：コナーズがバートラムを、マッケンローがデントを、ゲルレイティスがマーティンを、ボルグがナスターゼを下す。
準決勝：コナーズがマッケンローを、ボルグがゲルレイティスを下す。
決勝：ボルグがコナーズを3-6, 6-2, 6-1, 5-7, 6-4で下し優勝。

女子シングルス

準々決勝：エバートがキングを、ウェードがカザルスを、バーカーがレイドを、ストーブがナブラチロワを下す。
準決勝：ウェードがエバートを、ストーブがバーカーを下す。
決勝：ウェードがストーブを4-6, 6-3, 6-1で下し優勝。

ダブルス

男子ダブルスはロス・ケースとジェフ・マスターズが優勝、女子ダブルスはヘレン・グーレイ・コーリーとジョアン・ラッセルが、混合ダブルスはボブ・ヒューイットとグリア・スティーブンスが優勝しました。

大会を彩る出来事

この大会では、マッケンローの躍進や、ストーブの3部門準優勝など、多くのドラマが生まれました。ウェードの優勝は、イギリス女子テニス界にとって大きな意味を持つものでした。また、各ダブルスの試合も接戦が続き、観客を魅了しました。1977年ウィンブルドン選手権は、多くの記憶に残る名勝負が繰り広げられた、まさに歴史的な大会となりました。

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