1978年の自転車競技

1978年の自転車競技界：激動と記録の年

1978年の自転車競技界は、数々のドラマと記録が生まれた激動の年でした。ロードレースではベルナール・イノーがブエルタ・ア・エスパーニャとツール・ド・フランスの同一年度総合優勝という偉業を達成し、トラックレースでは中野浩一が世界選手権プロスクラッチで2連覇を飾りました。また、ツール・ド・フランスではドーピング隠蔽事件が発覚し、エディ・メルクスが引退するなど、様々な出来事が注目を集めました。

ロードレース

グランツール

ブエルタ・ア・エスパーニャ（4月25日～5月14日）
総合優勝：ベルナール・イノー（フランス）
ポイント賞：フェルディ・ファン・デン・ハウト（ベルギー）
山岳賞：アンドレアス・オリバ（スペイン）

ジロ・デ・イタリア（5月7日～5月28日）
総合優勝：ヨハン・デ・ミュインク（ベルギー）
ポイント賞：フランチェスコ・モゼール（イタリア）
山岳賞：ユーリ・ズッター（スイス）

ツール・ド・フランス（6月29日～7月23日）
総合優勝：ベルナール・イノー（フランス）
ポイント賞：フレディ・マルテンス（ベルギー）
山岳賞：マリアーノ・マルティネス（フランス）

主要クラシックレース

ミラノ〜サンレモ（4月14日）
優勝：ロジェ・デ・フラミンク（ベルギー）
ロンド・ファン・フラーンデレン（4月9日）
優勝：ワルテル・ホデフロート（ベルギー）
パリ〜ルーベ（4月16日）
優勝：フランチェスコ・モゼール（イタリア）
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ（4月23日）
優勝：ジョゼフ・ブリュイエール（ベルギー）
ジロ・ディ・ロンバルディア（10月7日）
優勝：フランチェスコ・モゼール（イタリア）

世界選手権

プロロードレース（8月27日、西ドイツ・ニュルブルク）
優勝：ヘリー・クネットマン（オランダ）

その他

スーパープレスティージュ
優勝：フランチェスコ・モゼール（イタリア）

ロードレースでは、ベルナール・イノーがブエルタとツールを制覇するという偉業を成し遂げました。しかし、ツールでは第16ステージでマイヨ・ジョーヌを奪取したミシェル・ポランティエールが、ドーピング隠蔽のために尿を隠していたことが発覚し失格となるという、衝撃的な事件も発生しました。

トラックレース

世界選手権自転車競技大会

中野浩一がプロスクラッチで2連覇を達成し、菅野良信が3位に入賞しました。

また、世界選手権でのケイリンの正式種目化を目指し、ミュンヘンでデモンストレーションレースが行われました（1980年に正式種目化）。

競輪

主要レース

日本選手権競輪（3月28日、いわき平競輪場）
優勝：藤巻清志（神奈川）
高松宮杯競輪（7月4日、大津びわこ競輪場）
優勝：阿部良二（岩手）
オールスター競輪（9月26日、西宮競輪場）
優勝：天野康博（新潟）
競輪祭（11月20日・27日、小倉競輪場）
全日本競輪王戦優勝：中野浩一（福岡）
全日本新人王戦優勝：吉井秀仁（千葉）

その他

賞金王：中野浩一（福岡）

1978年は、競輪祭における前節・全日本新人王戦、後節・全日本競輪王戦という開催方式が最後となった年です。

シクロクロス

世界選手権自転車競技大会（スペイン・アモレビエタ＝エチャノ）
プロ優勝：アルベルト・ツヴァイフェル（スイス）

アルベルト・ツヴァイフェルがシクロクロス世界選手権・プロ部門で3連覇を達成しました。

その他の出来事

エディ・メルクスが引退しました。

まとめ

1978年は、ベルナール・イノーのグランツールダブル制覇、中野浩一の世界選手権2連覇など、数々の記録が生まれた一方で、ツール・ド・フランスでのドーピング隠蔽事件、エディ・メルクスの引退など、様々な出来事が起こった激動の年でした。この年の出来事は、その後の自転車競技界に大きな影響を与えることになりました。

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