1979年のテレビ (日本)

1979年のテレビ：変革と多様化の時代

1979年（昭和54年）は、日本のテレビ放送業界にとって、数多くの出来事が重なり、変革と多様化が進んだ年でした。新たな放送局の開局、放送エリアの統合、音声多重放送の開始、そして数々の人気番組の誕生など、その動向を詳細に見ていきましょう。

放送局の開局とエリアの統合

4月1日にはテレビ埼玉が、7月1日には静岡第一テレビが開局しました。テレビ埼玉は系列を持たない独立U局として、静岡第一テレビは日本テレビ系列のフルネット局として、それぞれ新たなスタートを切りました。特に静岡第一テレビは、静岡県初の音声多重放送を開始し、これにより静岡県の民放4系列4局のフルネット化が完了しました。

また、4月1日には岡山・香川両県の民放テレビジョン放送のエリアが一本化され、これにより、岡山・香川両県における民放4系列4局のフルネット化が完了しました。

人気番組の誕生と終了

新たな人気番組の登場

• - 『3年B組金八先生』: TBS系で放送開始されたこのドラマは、武田鉄矢演じる坂本金八先生の熱血指導と、当時の学校社会の問題を真摯に取り扱った物語が話題を呼びました。ドラマのテーマ曲「贈る言葉」も大ヒットし、生徒役の田原俊彦、近藤真彦が人気となり、後のアイドル界を席巻するきっかけとなりました。
• - 『ドラえもん』: テレビ朝日系で放送開始されたアニメ『ドラえもん』は、現在に至るまで国民的な人気を誇る作品となりました。
• - 『ズームイン!!朝!』、『ルックルックこんにちは』: 日本テレビ系では、朝の情報番組として『ズームイン!!朝!』、『ルックルックこんにちは』が放送開始され、長寿番組として親しまれました。

惜しまれつつ終了した番組

• - 『金曜10時!うわさのチャンネル!!』、『ロンパールーム』: 日本テレビで長年親しまれてきたこれらの番組が終了しました。
• - 『ロッテ 歌のアルバム』: TBSで21年の歴史に幕を閉じました。

その他

ザ・ドリフターズの加藤茶と志村けんのコンビによる「ヒゲダンス」が人気を博しました。
NHKが世界で初めて南極からのテレビ衛星生中継に成功しました。

CMと音楽の融合

三洋電機のカラーテレビのCMに使われた久保田早紀の「異邦人 -シルクロードのテーマ-」が大ヒットしました。このCMは、『兼高かおる世界の旅』でも放送され、番組とCMが相乗効果を生み出す事例となりました。

音声多重放送の開始

1979年は、音声多重放送が本格的に開始された年でもあります。NHK教育テレビを除く在京局、及び名古屋のNHK教育及び名古屋テレビ放送を除く全局が音声多重放送を開始しました。また、電電公社がステレオ放送対応の音声多重放送同時ネット回線を全国へ開通させました。これにより、甲子園の高校野球や『日本歌謡大賞』などがステレオ放送で楽しめるようになり、『月曜ロードショー』、『ゴールデン洋画劇場』が2か国語放送を開始しました。

しかし、日本テレビが衆議院議員総選挙の開票速報番組で、画面と関係ない開票速報を副音声で放送したことが、放送法違反として郵政省から厳重注意を受けるという出来事もありました。もっとも、この件が後に2音声多重放送の開拓へと繋がります。

視聴率と番組関連の出来事

TBSがこの年の年間視聴率で在京民放局5局において3冠王となりました。

その他のトピック

• - ミニグルメ紀行番組: フジテレビ系の『くいしん坊!万才』の3代目くいしん坊として声楽家の友竹正則が登場
• - 東映制作の特撮シリーズ: テレビ朝日系で『バトルフィーバーJ』が開始

多様化する番組ジャンル

ドラマ、アニメ、クイズ番組、音楽番組、報道・情報番組など、様々なジャンルの番組が登場し、視聴者のニーズに応える多様な番組が提供されました。

1979年のテレビ界を振り返って

1979年は、テレビ放送の技術革新、番組内容の多様化、新たな才能の登場など、テレビ史に残る重要な年でした。この年の出来事は、その後のテレビ業界の発展に大きな影響を与えました。

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