1979年の自転車競技

1979年の自転車競技界は、数々のドラマと記録が生まれた激動の年でした。

トラックレース

トラックレース界では、中野浩一がその名を世界に轟かせました。オランダのアムステルダムで開催された世界選手権プロスクラッチ決勝では、ディーター・ベルクマンを圧倒し、見事3連覇を達成。その卓越したスプリント力は、世界中のファンを魅了しました。

ロードレース

ロードレース界では、グランツールの各レースで新たなヒーローが誕生しました。

ブエルタ・ア・エスパーニャ: オランダのヨープ・ズートメルクが総合優勝を果たし、その安定した走りで観客を魅了しました。ポイント賞はベルギーのアルフォンス・デ・ウォルフ、山岳賞はスペインのフェリペ・ヤニェスが獲得しました。
ジロ・デ・イタリア: イタリアのジュゼッペ・サロンニが総合優勝とポイント賞の二冠を達成。山岳賞は同じくイタリアのクラウディオ・ボルトロットが獲得しました。
ツール・ド・フランス: フランスのベルナール・イノーが総合優勝とポイント賞を獲得。山岳賞はイタリアのジョヴァンニ・バッタリンが獲得しました。イノーはこの年、スーパープレスティージュでも優勝し、年間を通じてその実力を発揮しました。

クラシックレースでは、以下の結果となりました。

ミラノ〜サンレモ: ベルギーのロジェ・デ・フラミンクが優勝。
ロンド・ファン・フラーンデレン: オランダのヤン・ラースが優勝。
パリ〜ルーベ: イタリアのフランチェスコ・モゼールが優勝。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ: 西ドイツのディートリヒ・テュラウが優勝。
ジロ・ディ・ロンバルディア: フランスのベルナール・イノーが優勝。
世界選手権プロロードレース: オランダのヤン・ラースが優勝。

これらの結果から、1979年のロードレース界は、ベルナール・イノーとヤン・ラースという二人のスター選手を中心に展開されたと言えるでしょう。

競輪

日本の競輪界では、大きな変革がありました。全日本競輪王戦と全日本新人王戦が統合され、競輪祭として6日間連続で開催されることになったのです。この新たな試みは、競輪界の活性化に大きく貢献しました。

主なレース結果は以下の通りです。

日本選手権競輪: 山口健治（東京）が優勝。
高松宮杯競輪: 荒川秀之助（宮城）が優勝。
オールスター競輪: 中野浩一（福岡）が優勝。
競輪祭: 全日本競輪王戦は吉井秀仁（千葉）、全日本新人王戦は木村一利（広島）がそれぞれ優勝。
賞金王: 中野浩一（福岡）が92,186,200円を獲得し、賞金王に輝きました。

シクロクロス

シクロクロス世界選手権プロ部門では、アルベルト・ツヴァイフェルが4連覇を達成。その圧倒的な強さを見せつけました。

総括

1979年は、中野浩一のトラックレースでの圧倒的な強さ、ベルナール・イノーとヤン・ラースという二人のスター選手の活躍、競輪界の新たな試みなど、様々な出来事が詰まった、自転車競技界にとって非常に重要な年でした。これらの出来事は、その後の自転車競技の発展に大きな影響を与えました。

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