1981年の相撲

1981年の大相撲は、数々の記録と出来事が生まれた激動の一年でした。年明けの初場所では、入場料の値上げや幕下以下の力士への待遇改善が行われました。その一方で、高見山が連続出場記録を更新し、大関貴ノ花が引退するなど、時代の移り変わりを感じさせる出来事もありました。

初場所

初場所4日目には高見山が連続出場回数で史上単独1位となる1368回を達成しました。7日目には大関貴ノ花が引退し、年寄鳴戸を襲名しました。また、場所後には千代の富士の大関昇進が決定しました。この場所の千秋楽の平均視聴率は52.2％と、当時の史上最高を記録し、瞬間最高視聴率に至っては65.3％に達しました。

春場所

3月場所では横綱輪島大士が引退、年寄花籠を襲名。その花籠親方は定年の10日前に廃業しました。また、大関増位山も引退し、年寄小野川を襲名しました。

夏場所

5月場所では昭和天皇が観戦され、元小結豊山が引退し、年寄湊を襲名しました。場所後の番付編成会議では、福薗と鶴嶺山の十両昇進が決定し、史上初の兄弟同時関取が誕生しました。

名古屋場所

7月場所後には、千代の富士の横綱推挙が決定し、大相撲界の新たな時代を予感させました。

秋場所

9月場所では東西正横綱が「横綱・大関」を兼務する珍しい事態となりました。また、昭和天皇が再び観戦される中、元関脇荒勢が引退し、年寄間垣を襲名。場所後には琴風の大関昇進が決まりました。

その他の出来事

この年、多くの力士が引退し、新たな年寄が誕生しました。また、武蔵川部屋や放駒部屋が新設されました。さらに、メキシコ公演やアメリカ巡業も行われ、大相撲の国際的な広がりが見られました。

各場所の優勝力士

初場所: 千代の富士貢（14勝1敗,初優勝）
春場所: 北の湖敏満（13勝2敗,21回目）
夏場所: 北の湖敏満（14勝1敗,22回目）
名古屋場所: 千代の富士貢（14勝1敗,2回目）
秋場所: [琴風豪規]
九州場所: 千代の富士貢（12勝3敗,3回目）

年間最優秀力士賞には千代の富士貢が選ばれ、年間最多勝は北の湖敏満が獲得しました。

誕生した力士

この年には、後に小結まで昇進する黒海太や豊真将紀行、関脇まで昇進する朝赤龍太郎などが誕生しました。

亡くなった力士

また、元大関琴ヶ濱貞雄や元前頭緑國政雄、大達信太郎など、多くの関係者が亡くなりました。

1981年は、千代の富士の台頭や北の湖の安定した強さ、多くの引退や新設された部屋など、大相撲界にとって激動の一年であり、その後の相撲界に大きな影響を与える出来事が多かった年でした。

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