1981-1982シーズンのNBA

1981-1982 NBAシーズン

1981-1982シーズンは、NBAの歴史における36回目のシーズンでした。このシーズンは、多くのスター選手の台頭、名将の誕生、そして記憶に残るファイナルによって彩られました。

ドラフト

1981年のNBAドラフトでは、ダラス・マーベリックスが全体1位でマーク・アグワイアを指名しました。また、全体2位では、後にデトロイト・ピストンズの「バッドボーイズ」を牽引するアイザイア・トーマスが指名されています。その他、バック・ウィリアムス、アル・ウッド、ダニー・ブレーンズ、オーランド・ウーリッジ、スティーブ・ジョンソン、トム・チェンバース、ローランド・ブラックマン、アルバート・キング、フランク・ジョンソン、ケリー・トリピューカ、ダニー・シェイズ、ハーブ・ウィリアムス、ダーネル・バレンタイン、ラリー・ナンス、アルトン・リスター、ジェイ・ビンセント、ジーン・バンクス、エディー・ジョンソン、ダニー・エインジ、フランク・ブリッコウスキー、ルイス・ロイドなど、多くの才能ある選手たちがNBA入りを果たしました。特筆すべきは、全体214位で指名されたトニー・グウィンがMLBで、全体221位で指名されたケニー・イーズリーがNFLでそれぞれ活躍したことです。

この年のドラフト組からは、マーク・アグワイア、アイザイア・トーマス、バック・ウィリアムス、スティーブ・ジョンソン、トム・チェンバース、ローランド・ブラックマン、ケリー・トリピューカ、ラリー・ナンス、ダニー・エインジの9人が後にオールスターに選出されています。

シーズン概要

前シーズンにファイナルに進出したヒューストン・ロケッツは、優勝経験を持つエルヴィン・ヘイズを獲得し、悲願の優勝を目指しました。モーゼス・マローンは31.1得点、14.7リバウンドという圧倒的な成績を残し、自身2度目のMVPを受賞しましたが、チームは50勝に届かず、期待されたほどの成績は残せませんでした。一方、ロケッツと共に前季プレーオフを盛り上げたカンザスシティ・キングスは、オーティス・バードソングがチームを去り、4シーズンぶりにプレーオフ進出を逃しました。

マジック・ジョンソンの故障により前季プレーオフ1回戦で敗退したロサンゼルス・レイカーズは、シーズン序盤にヘッドコーチのポール・ウェストヘッドを解任し、新たにパット・ライリーをヘッドコーチに迎えました。ライリーの就任後、チームはカンファレンストップの勝率を記録し、見事に立て直しました。

シアトル・スーパーソニックスは、前季にデニス・ジョンソンを放出してポール・ウェストファルを獲得しましたが、故障者が続出し、ディビジョン最下位に沈みました。しかし、このシーズンにはガス・ウィリアムスが復活し、ウェストファルがチームを去り、1979年の優勝メンバーが再び集結。52勝という好成績を収めました。

長らく低迷していたデンバー・ナゲッツは、3シーズンぶりにプレーオフに復帰しました。デビッド・トンプソンに代わり、アレックス・イングリッシュがエースとしてチームを牽引し、1980年代のナゲッツを代表する選手となりました。

ニュージャージー・ネッツは、NBA加盟以来初の勝率5割以上を達成し、3シーズンぶりにプレーオフに進出しました。オーティス・バードソングと新人王を獲得したバック・ウィリアムスがチームを支えました。

ウェス・アンセルドとエルヴィン・ヘイズが引退したワシントン・ブレッツは、1978年の優勝メンバーであるグレッグ・バラードと新人ジェフ・ルーランドを中心としたチームとなり、1シーズンぶりにプレーオフに復帰しました。

アトランタ・ホークスは、ケビン・ローアリーがヘッドコーチに就任し、プレーオフに復帰しましたが、ジョン・ドリュー、エディー・ジョンソン、ダン・ラウンドフィールドによるユニットは、このシーズンが最後となりました。

低迷が続いていたデトロイト・ピストンズは、新人のアイザイア・トーマスの活躍により、前季より18勝増となる39勝を記録しました。シーズン中にはビル・レインビアを獲得し、後の「バッドボーイズ」と呼ばれるチームの基礎が築かれました。

ゴールデンステート・ウォリアーズとポートランド・トレイルブレイザーズは、勝率5割以上を記録しましたが、プレーオフには進出できませんでした。ウォリアーズは、前季に大型センターのジョー・バリー・キャロルをドラフトで獲得し再建を目指していましたが、翌シーズンにはバーナード・キングとワールド・B・フリーが相次いでチームを離れてしまいました。

オールスターゲーム

1982年のオールスターゲームは、1月31日にイーストラザフォードで開催されました。イーストが120-118でウエストを破り、ラリー・バードがMVPに輝きました。

プレーオフ

プレーオフでは、ワシントン・ブレッツがニュージャージー・ネッツを破り、カンファレンス準決勝に進出しました。ブレッツがカンファレンス準決勝に進出するのは、ワシントン・ウィザーズに名称を変更した23年後の2005年になります。

ファイナル

ファイナルは、ロサンゼルス・レイカーズとフィラデルフィア・76ersの対戦となりました。レイカーズは、マジック・ジョンソン、カリーム・アブドゥル＝ジャバーを中心に、パット・ライリーが導入したラン&ガン戦術「ショータイム」で圧倒的な強さを見せました。一方、76ersは、ジュリアス・アービング、モーゼス・マローンらを擁し、2年前のリベンジに燃えていました。

シリーズは、レイカーズが4勝2敗で制し、2年ぶり8回目の優勝を果たしました。ファイナルMVPには、マジック・ジョンソンが選ばれました。

各賞

最優秀選手：モーゼス・マローン（ヒューストン・ロケッツ）
ルーキー・オブ・ザ・イヤー：バック・ウィリアムス（ニュージャージー・ネッツ）
最優秀コーチ賞：ジーン・シュー（ワシントン・ブレッツ）

ラストシーズン

ボブ・ダンドリッジ
ジョン・ジョンソン
ジョージ・マクギニス
* ブライアン・テイラー

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