1985年のル・マン24時間レース

1985年のル・マン24時間レース（24 Heures du Mans 1985）は、フランスのサルト・サーキットで開催された53回目の大会です。このレースは6月15日から16日にかけて行われ、多数の参加車両が登場し、観客を沸かせました。事前には、フランス西部自動車クラブが財政難を理由に開催が危ぶまれると発表していましたが、結果的には前年とは異なり賑やかなイベントとなりました。

概要

レースでは、前年よりも大幅に少ない燃料総量の制限（2,210リットル）が設けられ、参加チームは2.3km/リットル以上の燃費を確保することが求められました。これにより、上位入賞には高い燃費性能が必要となりました。ポルシェワークスは前年の不参加から復活し、ポルシェ・962Cを投入しました。

C1クラス

ポルシェ・962Cは、ボッシュのモトロニックMP1.2という優れたテクノロジーを活用していました。クレマー・レーシングは962Cと956Bを併用し、ヨースト・レーシングは3リットルエンジンの他に、さらに別のエンジンも用意しました。ポルシェ以外の車両にも挑戦が求められ、プリマガス・コンペティションの独自のグループCカーも登場しました。また、ランチアはLC2を改良し、ミシュラン製タイヤを採用して強化を図りましたが、決勝ではトラブルに苦しみました。

メルセデス・ベンツはザウバー・C8でレースに参戦し、トムスの85Cはトヨタ自動車の初のレース参戦として注目を集めました。

C2クラス

マツダは前年の改良型737Cを使用し、2ローターの13B型エンジンという小型エンジンで簡素化されているため、プライベーターの参戦が増加しました。

GTPクラス

ジャガーは前年の経験を基に、トム・ウォーキンショー・レーシングと共に改良型XJR-6を開発しましたが、最終的には前年のXJR-5が使用されました。XJR-5は公式ポスターにも登場しましたが、ル・マンでのコンペティションでは力不足とされました。

予選

予選では、ポルシェのワークスチームが優勢でした。ヨースト・レーシングの車両はユノディエールのストレートで370km/hを記録し、圧倒的なスピードを見せました。一方、ジャガー・XJR-5はあまり良い結果が出ず、18位に留まりました。

決勝レース

決勝は前年よりも華やかなセレモニーで始まりました。レースが進むにつれて、ワークスポルシェは燃費設定の慎重さからスピードを落とし、他のチームが先行しました。特にヨースト・レーシングとGTiエンジニアリングの2台の競り合いが注目を集めましたが、GTiエンジニアリングはトラブルに見舞われることになりました。

ジャガーもトラブルに見舞われながらも44号車が完走しましたが、ポルシェ・956Bのヨースト・レーシングが圧倒的な走行距離を記録し、優勝を果たしました。この年のレースはポルシェの強さが際立ったものであり、もはやその圧倒的な競争力は揺るぎないものとなっていました。

予想外のトラブル

トムスはドライバーが出力を抑える努力をしたため、レースを長時間走るものの快適なペースを保つことが難しかったです。最終的には、ヨースト・レーシングの7号車が優勝し、他のポルシェが続きました。ジャガーの44号車は完走したものの、その隣を走るポルシェたちと比較すると相当に背後となりました。

結果

このレースは、特にヨースト・レーシングのポルシェ・956Bが圧巻の走行距離を記録し、勝利を収めたことから、1985年のル・マン24時間レースはポルシェにとって忘れがたい結果となりました。

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