1987年の音楽

1987年の音楽

1987年の音楽シーンは、さまざまなアーティストのヒット曲や重要な出来事が盛りだくさんでした。特に、日本の音楽界ではシングル「愚か者」が萩原健一と近藤真彦による競作として注目を集め、うしろ髪ひかれ隊の「時の河を越えて」もヒットしました。

この年、日本ではCDの普及が進む中、アナログレコードからの移行が話題となり、シングルの売上が減少し始めました。特に、おニャン子クラブが解散し、工藤静香がソロデビューしたことは、多くのファンにとって衝撃的な出来事でした。

さらに、ジャズ・フュージョンの名ベーシスト、ジャコ・パストリアスがこの年に亡くなり、音楽界に大きな影響を残しました。日本では、荻野目洋子、中森明菜、安全地帯、南野陽子が代表的なアーティストとして活躍し、それぞれヒット曲を放っています。

また、桑田佳祐のソロデビューシングル「悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)」も年末から翌年にかけてヒットし、合算で約34万枚の売上を記録しました。同様に、テレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」も前年と合わせて約33万枚を達成しました。

興味深いことに、瀬川瑛子の「命くれない」は、これまでで最も少ない売上約42万枚でありながら、オリコンシングルチャート年間1位を獲得したことが記憶に残ります。この現象は、音楽の流行やリスナーの嗜好の変化を如実に示しています。

音楽アルバムについても、杉山清貴の「リアルタイム　トゥ　パラダイス」が5週連続でアルバムチャート1位を獲得したことや、CDプレーヤーの普及が進む中、日本国内での普及率が10.0%に達したことは、音楽業界の変革を象徴する出来事です。

この年の重要な出来事の一つは、美空ひばりが慢性肝炎及び特発性大腿骨頭壊死症で入院し、歌手活動を休止したことです。彼女の復帰後の8月3日には、多くのファンが彼女の復活を喜びました。また、12月31日の第29回日本レコード大賞では、「愚か者」や「命くれない」がノミネートされ、多数のアーティストが受賞の栄誉に輝きました。

洋楽シーンにおいても、1987年は多くのヒット曲が生まれた年でした。グレイトフル・デッドやプリンス、マイケル・ジャクソン、そしてマドンナといったアーティストたちが世界中で注目され、それぞれの楽曲が記憶に刻まれました。

総じて、1987年は日本と世界の音楽において重要な変革の年であり、数々のヒット曲やアーティストの登場が、今なお多くの人々に影響を与え続けています。この変動の年を振り返ることで、音楽の力とその歴史の深さを再認識することができます。

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