1992年のイギリスツーリングカー選手権

1992年エッソ・RACイギリスツーリングカー選手権：激動のシーズンレビュー

1992年のエッソ・RACイギリスツーリングカー選手権は、シリーズ35年目を迎え、4月1日のシルバーストン・サーキットで開幕しました。10月6日、再びシルバーストンで幕を閉じるまで、全13戦にわたる白熱したレースが展開されました。このシーズンは、シリーズの歴史において特筆すべき出来事が数多くありました。

レギュレーション変更と新たな舞台

これまでのイギリス国内のみの開催から、1992年シーズンはスコットランド（ノックヒル）とウェールズ（ペンブレイ）にも舞台が拡大されました。これは、シリーズの地理的な広がりと人気向上に大きく貢献する出来事となりました。

シーズン序盤：クレランドの活躍とトヨタ勢の台頭

シルバーストンでの開幕戦では、ボクスホールのジョン・クレランドが厳しい冬季テストの成果を見せつけ、新ラップタイムで勝利を飾りました。続くスラクストンでの第2戦でも、クレランドはトヨタのアンディ・ロウズを抑え、2連勝を達成しました。一方、前年王者BMWは新型BMW 318isの開発に苦戦し、ワークスチームのプロドライブ、セミワークスのヴィク・リー・レーシング共に苦戦を強いられました。

オウルトン・パークでの第3戦は、トヨタワークスのウィル・ホイとアンディ・ロウズの活躍が目立ちました。クレランドは一時リードするも、順位を落とし、トヨタ勢がレースを支配。激しい首位争いの末、ロウズが勝利しました。この結果、ロウズがポイントリーダーに躍り出ました。

スネッタートンでの第4戦では、ホイがポール・トゥ・ウィンを達成。BMWのクレランドとアラン・メニュを抑え、見事勝利を収めました。メニュはBMWに今シーズン初の表彰台をもたらしました。しかし、ブランズ・ハッチでの第5戦では、ホイとロウズが共にリタイア。トヨタ勢のタイトル争いは大きな痛手を受けました。このレースでは、クレランドが圧勝しました。

ダブルヘッダーとタイトル争いの激化

ドニントン・パークでの初のダブルヘッダーでは、ホイとクレランド、ロウズ、ジェフ・アラムがタイトル争いをリードする展開に。第1レースをホイが、第2レースをティム・ハーベイが制しました。この結果、クレランドがポイントリーダーに立ちました。

シルバーストンでのイギリスGPサポートレースでは、アラムがシーズン初勝利。アラムはこの勝利でランキング3位に浮上しました。ノックヒルとペンブレイでは、BTCC初開催の興奮の中、それぞれアラムとハーベイが勝利しました。これらのレースでは、WRCチャンピオンのコリン・マクレーがBMWからゲスト参戦するなど、話題を呼ぶ出来事もありました。

シーズン終盤：熾烈を極めるタイトル争い

ブランズ・ハッチでのダブルヘッダー、そしてドニントンでのレースでは、ハーベイとクレランドがポイントで僅差のタイトル争いを繰り広げました。最終戦シルバーストンでは、予期せぬ展開から、ハーベイがタイトルを手にしました。この最終戦では、クレランドとソパーの接触という、BTCCの歴史において最も議論の余地のある瞬間が生まれました。

最終的に、ハーベイが152ポイントでチャンピオンに輝き、ホイ、クレランドと僅差の戦いを制しました。このシーズンは、数々のドラマチックなレースと、ドライバーたちの熱い戦いが記憶に残るものとなりました。

備考

記事には、参加チーム・ドライバー、開催カレンダー・優勝者、ドライバーズ・チャンピオンシップ、マニファクチャラーズ・チャンピオンシップ、TOCAチャレンジカップのランキングなどが含まれていましたが、本文では割愛しています。必要であれば、別途ご要望ください。また、本文では詳細な順位やポイントの変遷などは簡略化して記述しています。より詳細な情報が必要な場合は、関連資料をご参照ください。

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