1992年の日本

1992年の日本：激動と変化の時代

1992年（平成4年）は、日本社会にとって大きな転換期でした。バブル景気が終焉を迎え、政治不信が深刻化する一方で、新たな文化や技術が芽生え、スポーツ界では輝かしい成果が生まれました。この年を様々な角度から振り返ります。

社会・経済

バブル景気は過去のものとなり、景気が持ち直すだろうという楽観的な見方が残るものの、経済は停滞し始めました。特に、女子学生にとっては就職氷河期元年となり、求人倍率が1倍を割り込む厳しい状況となりました。東京佐川急便事件などの不祥事が相次ぎ、政治不信が社会全体に広がりました。

文化・流行

「日清ラ王」や「ミニディスク（MD）」、「G-SHOCK」、「スーパーマリオカート」など、後のロングセラーとなる商品が次々と登場しました。ファッションでは、カジュアルルックが流行しました。

新語・流行語大賞では、「うれしいような、かなしいような」「はだかのおつきあい」（きんさんぎんさん）が年間大賞を受賞し、当時の社会現象を反映しました。

政治

金丸信自由民主党副総裁が東京佐川急便事件で辞任、議員辞職し、政治不信が高まりました。

スポーツ

プロ野球: ヤクルトスワローズがセ・リーグ優勝、西武ライオンズがパ・リーグ優勝。日本シリーズは西武が制しました。
サッカー: 日本代表チーム監督に初の外国人監督としてハンス・オフトが就任。AFCアジアカップで日本が初優勝しました。
大相撲: 横綱北勝海が引退し、一時横綱不在となる異例の事態となりました。
オリンピック: アルベールビル冬季オリンピック、バルセロナ夏季オリンピックが開催され、日本選手団も活躍しました。

注目の出来事

1月: X JAPANが日本人アーティストとして初の東京ドーム3Days公演を開催。
2月: バブル景気が公式に終結。
3月: 暴力団対策法施行。東海道新幹線「のぞみ」が運転開始。長崎県にハウステンボスが開業。
4月: 育児休業法施行。テレビ朝日で「クレヨンしんちゃん」放送開始。
5月: 細川護煕前熊本県知事が日本新党を結成。漫画家の長谷川町子が死去。
7月: 山形新幹線が開業。JR九州で787系を使用する特急「つばめ」が運行開始。今給黎教子が日本人女性初のヨットによる無寄港世界一周を達成。
8月: 小説家の松本清張が死去。明徳義塾が高校野球で松井秀喜に対し5打席連続敬遠。
9月: 毛利衛がスペースシャトル・エンデバーに搭乗し宇宙へ。日清食品が「日清ラ王」を発売。
10月: 天皇が初の中国訪問。ヤクルトが14年ぶりセ・リーグ優勝。長嶋茂雄が巨人監督に就任。
11月: 首里城が復元。
12月: 気圧の単位がミリバールからヘクトパスカルに変更。チェッカーズが解散。

物故者

4月2日 - 若山富三郎（俳優）
4月25日 - 尾崎豊（ミュージシャン）
4月30日 - 大杉勝男（元プロ野球選手）
5月11日 - いずみたく（作曲家）
5月27日 - 長谷川町子（漫画家）
5月28日 - 藤村富美男（元プロ野球選手）
6月10日 - 中村八大（作曲家）
8月4日 - 松本清張（小説家）

1992年の主な新商品

日清食品 - 日清ラ王
ソニー - ミニディスク（MD）プレーヤー
カシオ計算機 - G-SHOCK
* 任天堂 - スーパーマリオカート

1992年は、社会、経済、文化、スポーツなど、様々な面で変化の兆しが見られた年でした。この年を境に、日本社会は新たな時代へと向かっていくことになります。

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