1994年の鉄道
1994年（平成6年）の日本の鉄道界は、新たな路線の開業や延伸、そして多くの新形式車両の登場など、多岐にわたる出来事があった年として記憶されています。
この年の最大のトピックの一つは、関西国際空港の開港に伴うアクセス鉄道の誕生です。6月15日には、JR西日本の関西空港線（日根野～関西空港間11.1km）と南海電気鉄道の空港線（泉佐野～関西空港間8.8km）が開業しました。これにより、りんくうタウン駅と関西空港駅が新たに設置され、空港へのスムーズな移動手段が確立されました。同時に、JR西日本では関空特急「はるか」や関空快速が、南海では特急「ラピート」が運転を開始し、新たな空港アクセスの顔となりました。
また、8月20日には広島市に新たな公共交通機関として広島高速交通の広島新交通1号線（アストラムライン、本通～広域公園前間18.4km）が開業しました。都心部と郊外を結ぶ交通手段として、多くの新駅とともに開業し、地域の活性化に貢献しました。
その他、12月3日には山陽方面と山陰方面を結ぶ短絡ルートとして、智頭急行の智頭線（上郡～智頭間56.1km）が第三セクター路線として開業しました。これにより、JR西日本と智頭急行の連携による特急「スーパーはくと」「はくと」が運転を開始し、京阪神と鳥取・倉吉間のアクセスが向上しました。名古屋市営地下鉄桜通線も3月30日に今池～野並間が延伸開業し、地下鉄ネットワークが拡充されました。
国外では、ソウルにおいて地下鉄4号線が延伸し、果川線・安山線との間で相互直通運転が開始されるなど、首都圏の鉄道網が発展しました。
一方で、役割を終えた路線や列車もありました。1月には京葉臨海鉄道の食品北線・食品南線が廃止され、関連駅もその歴史を閉じました。4月1日には野上電気鉄道の野上線が全線廃止となり、地域住民に親しまれた鉄路が失われました。5月16日にはJR北海道の函館本線上砂川支線が廃止、10月1日には小坂製錬の小坂線で旅客営業が廃止されるなど、利用状況の変化などにより、鉄路が姿を消す動きも見られました。
また、この年の12月3日には、長年にわたり運行されてきた寝台特急「ゆうづる」と「みずほ」が廃止されました。夜行長距離列車の削減が進む時代の流れを示す出来事となりました。
ダイヤ改正では、前述の関空アクセス列車のほか、新たな特急列車が多数登場しました。3月1日にはJR北海道で特急「スーパー北斗」が、12月3日にはJR東日本で特急「スーパーあずさ」が運転を開始しました。JR西日本では、12月3日に特急「スーパーやくも」が運転を開始するなど、既存の特急網に速達性や快適性を追求した列車が加わりました。また、JR東日本では、初のオール2階建て新幹線車両であるE1系「Max」が営業運転を開始し、その愛称を冠した「Maxやまびこ」「Maxあおば」「Maxあさひ」「Maxとき」が登場しました。
自然災害による運休も発生しました。9月30日には集中豪雨によりJR東日本仙山線で盛土が流出し、全線が不通となりましたが、復旧工事を経て11月28日には運転が再開されました。事故としては、2月22日にJR北海道根室本線で特急列車が強風により脱線したほか、同日に三陸鉄道南リアス線でも強風による列車脱線事故が発生しました。12月7日にはJR東日本東北本線で列車衝突事故が発生しています。
この年は、JR、私鉄、第三セクター、公営交通など、様々な事業者から多くの新形式車両が投入されました。JRグループでは、E1系「Max」やE217系（JR東日本）、383系（JR東海）、281系や223系（JR西日本）、813系や883系（JR九州）などが登場し、輸送力増強やサービス向上に貢献しました。特に、281系は関空特急「はるか」用、883系は特急「ソニック」用としてデザイン面でも特徴的な車両でした。南海電気鉄道の特急「ラピート」用50000系も、その斬新なデザインで大きな注目を集めました。
公営交通では、広島新交通1号線開業に合わせて6000系が登場。ソウル特別市地下鉄公社からも4000系が登場しました。
一方、試作車として運用されていたJR東日本の901系電車が量産化改造を受けて209系に編入され消滅するなど、形式名としては姿を消した車両もありました。過去に活躍した車両が他社へ譲渡され、新たな地で活躍を続ける動きも見られました。
鉄道友の会が選定するブルーリボン賞は該当車両なしとなりましたが、ローレル賞は日本貨物鉄道（JR貨物）のDF200形ディーゼル機関車が受賞しました。これは、北海道の過酷な自然条件下での運用に対応した高性能ディーゼル機関車であることが高く評価されたものです。
1994年は、新しい時代の幕開けを感じさせる華やかな開業の一方で、時代の変化による別れもあった、鉄道の変遷を色濃く映し出す一年でした。
新たなネットワークの誕生
この年の最大のトピックの一つは、関西国際空港の開港に伴うアクセス鉄道の誕生です。6月15日には、JR西日本の関西空港線（日根野～関西空港間11.1km）と南海電気鉄道の空港線（泉佐野～関西空港間8.8km）が開業しました。これにより、りんくうタウン駅と関西空港駅が新たに設置され、空港へのスムーズな移動手段が確立されました。同時に、JR西日本では関空特急「はるか」や関空快速が、南海では特急「ラピート」が運転を開始し、新たな空港アクセスの顔となりました。
また、8月20日には広島市に新たな公共交通機関として広島高速交通の広島新交通1号線（アストラムライン、本通～広域公園前間18.4km）が開業しました。都心部と郊外を結ぶ交通手段として、多くの新駅とともに開業し、地域の活性化に貢献しました。
その他、12月3日には山陽方面と山陰方面を結ぶ短絡ルートとして、智頭急行の智頭線（上郡～智頭間56.1km）が第三セクター路線として開業しました。これにより、JR西日本と智頭急行の連携による特急「スーパーはくと」「はくと」が運転を開始し、京阪神と鳥取・倉吉間のアクセスが向上しました。名古屋市営地下鉄桜通線も3月30日に今池～野並間が延伸開業し、地下鉄ネットワークが拡充されました。
国外では、ソウルにおいて地下鉄4号線が延伸し、果川線・安山線との間で相互直通運転が開始されるなど、首都圏の鉄道網が発展しました。
姿を消した路線や列車
一方で、役割を終えた路線や列車もありました。1月には京葉臨海鉄道の食品北線・食品南線が廃止され、関連駅もその歴史を閉じました。4月1日には野上電気鉄道の野上線が全線廃止となり、地域住民に親しまれた鉄路が失われました。5月16日にはJR北海道の函館本線上砂川支線が廃止、10月1日には小坂製錬の小坂線で旅客営業が廃止されるなど、利用状況の変化などにより、鉄路が姿を消す動きも見られました。
また、この年の12月3日には、長年にわたり運行されてきた寝台特急「ゆうづる」と「みずほ」が廃止されました。夜行長距離列車の削減が進む時代の流れを示す出来事となりました。
ダイヤ改正と新しい特急列車
ダイヤ改正では、前述の関空アクセス列車のほか、新たな特急列車が多数登場しました。3月1日にはJR北海道で特急「スーパー北斗」が、12月3日にはJR東日本で特急「スーパーあずさ」が運転を開始しました。JR西日本では、12月3日に特急「スーパーやくも」が運転を開始するなど、既存の特急網に速達性や快適性を追求した列車が加わりました。また、JR東日本では、初のオール2階建て新幹線車両であるE1系「Max」が営業運転を開始し、その愛称を冠した「Maxやまびこ」「Maxあおば」「Maxあさひ」「Maxとき」が登場しました。
災害と事故
自然災害による運休も発生しました。9月30日には集中豪雨によりJR東日本仙山線で盛土が流出し、全線が不通となりましたが、復旧工事を経て11月28日には運転が再開されました。事故としては、2月22日にJR北海道根室本線で特急列車が強風により脱線したほか、同日に三陸鉄道南リアス線でも強風による列車脱線事故が発生しました。12月7日にはJR東日本東北本線で列車衝突事故が発生しています。
新たな車両たち
この年は、JR、私鉄、第三セクター、公営交通など、様々な事業者から多くの新形式車両が投入されました。JRグループでは、E1系「Max」やE217系（JR東日本）、383系（JR東海）、281系や223系（JR西日本）、813系や883系（JR九州）などが登場し、輸送力増強やサービス向上に貢献しました。特に、281系は関空特急「はるか」用、883系は特急「ソニック」用としてデザイン面でも特徴的な車両でした。南海電気鉄道の特急「ラピート」用50000系も、その斬新なデザインで大きな注目を集めました。
公営交通では、広島新交通1号線開業に合わせて6000系が登場。ソウル特別市地下鉄公社からも4000系が登場しました。
一方、試作車として運用されていたJR東日本の901系電車が量産化改造を受けて209系に編入され消滅するなど、形式名としては姿を消した車両もありました。過去に活躍した車両が他社へ譲渡され、新たな地で活躍を続ける動きも見られました。
受賞車両
鉄道友の会が選定するブルーリボン賞は該当車両なしとなりましたが、ローレル賞は日本貨物鉄道（JR貨物）のDF200形ディーゼル機関車が受賞しました。これは、北海道の過酷な自然条件下での運用に対応した高性能ディーゼル機関車であることが高く評価されたものです。
1994年は、新しい時代の幕開けを感じさせる華やかな開業の一方で、時代の変化による別れもあった、鉄道の変遷を色濃く映し出す一年でした。
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