1996年の音楽

1996年の音楽

1996年は、日本の音楽シーンにおいて大きな転換期を迎えた年でした。CDプレーヤーの普及が進み、音楽の聴き方が多様化する中で、数々のアーティストが新たなムーブメントを巻き起こしました。

日本音楽シーンの動向

Mr.Childrenの「名もなき詩」がオリコン初動セールス約120万枚を記録し、当時の歴代1位となる驚異的な記録を打ち立てました。これは、Mr.Childrenを筆頭とするトイズファクトリー勢の勢いを象徴する出来事でした。

一方、前年に引き続き小室哲哉プロデュースの楽曲がチャートを席巻。安室奈美恵、華原朋美、globeなど、小室ファミリーのアーティストたちが音楽シーンを牽引しました。オリコン週間シングルチャートのトップ10に小室哲哉の作品が1曲も入らない週は、年間でわずか2回という驚異的な記録が、当時の小室ブームを物語っています。

新たな才能も開花しました。SPEEDがデビューし、「Body & Soul」などのヒット曲を連発。その後の活躍を予感させる鮮烈なデビューを飾りました。

一方で、惜しまれながらも解散・活動停止を発表したアーティストもいました。Winkが3月31日をもって活動を停止し、プリンセス プリンセスが5月31日に日本武道館でラスト公演を行い解散。それぞれの時代を彩ったグループの解散は、多くのファンに惜しまれました。

話題の楽曲とアルバム

1996年のオリコン年間シングルチャートでは、Mr.Childrenの「名もなき詩」が1位を獲得。2位にはglobeの「DEPARTURES」、3位には久保田利伸 with NAOMI CAMPBELLの「LA・LA・LA LOVE SONG」がランクインしました。また、スピッツの「チェリー」や「空も飛べるはず」といったロングヒット曲も上位にランクインし、幅広い層に支持されたことを示しています。

アルバムチャートでは、globeの『globe』が1位を獲得。安室奈美恵の『SWEET 19 BLUES』、B'zの『LOOSE』といったアルバムも人気を集めました。

その他の音楽関連の出来事

SMAPの森且行が脱退
フジテレビ系『LOVE LOVE あいしてる』放送開始。吉田拓郎とKinKi Kidsが司会を務め、音楽トーク番組として人気を博しました。
* 米米CLUBが解散を発表

海外の音楽シーン

洋楽では、2パックの「カリフォルニア・ラブ」、ビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」、マライア・キャリー & ボーイズIIメンの「ワン・スウィート・デイ」などがヒットしました。

アルバムでは、アリーヤの『One in a Million』、ジョージ・マイケルの『オールダー』、メタリカの『ロード』などが話題を集めました。

物故者

1996年は、音楽界にとって多くの才能を失った年でもありました。三橋美智也、横山やすし、武満徹、フランク堺、エラ・フィッツジェラルド、渥美清など、各ジャンルで多大な功績を残した人々がこの世を去りました。彼らの音楽や業績は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

1996年は、音楽の多様化が進み、新たな才能が開花する一方で、数々の別れもあった年でした。しかし、その中で生まれた音楽は、時代を超えて人々の心に残り続けています。

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