1998年のイギリスツーリングカー選手権

1998年 オートトレーダーRACイギリスツーリングカー選手権：激動のシーズンレビュー

1998年のイギリスツーリングカー選手権(BTCC)は、41年目を迎えた歴史あるシリーズに新たな風が吹き込んだ、激動のシーズンでした。 ボルボのエース、リカルド・リデルが日産の強豪アンソニー・レイドを抑え、念願のドライバーズチャンピオンを獲得。プライベーター部門のオートスポーツカップは、ルノー・ラグナを駆るトミー・ラスタットが制しました。

ルール変更と技術革新

今シーズンは、大きく3つのルール変更が実施されました。まず、週末のレースが「スプリント」レースと「フィーチャー」レースの2種類に分けられました。「フィーチャー」レースはピットストップが義務付けられるなど、より戦略的な要素が強まりました。予選方法も変更され、「スプリント」レースは各ドライバー1回のタイムアタックでグリッド順が決まる「シュートアウト」方式が採用されました。さらに、1996年のチャンピオン、アウディが採用していた四輪駆動システムが禁止されました。この変更は、各チームの車両開発に大きな影響を与えたことは間違いありません。

チームとドライバーの変遷

チームとドライバーの顔ぶれも大きく変化しました。

ルノー： 4年目を迎えたウィリアムズが運営するルノーチームは、アラン・メニュとジェイソン・プラトに加え、最終戦のみトミー・ラスタットを起用。スポンサー変更に伴い、チームカラーも変更されています。
アウディ： 四輪駆動システムの禁止を受け、前輪駆動のA4に変更。ジョン・ビントクリフと共に、新加入のイヴァン・ミュラーがチームを盛り上げました。
ホンダ： プロドライブが運営するホンダチームは、ジェームス・トンプソンを残留させ、新加入のピーター・コックスと強力なタッグを結成しました。
ボルボ： TWRが運営するボルボは、リカルド・リデルとジャンニ・モルビデリという強力なドライバー陣を擁し、シーズンを通してタイトル争いをリードしました。リカルド・リデルは見事チャンピオンに輝き、チームに大きな勝利をもたらしました。
プジョー： MSDが運営するプジョーは、ティム・ハーベイとポール・ラディシッチという強力なドライバーを擁しましたが、今シーズンは苦戦を強いられ、シーズン終了後にBTCCからの撤退を決定しました。
ボクスホール： トリプルエイトが運営するボクスホールは、デレック・ワーウィックとジョン・クレランドというベテランドライバーのコンビが安定した走りを見せました。1997年とは異なり、改善された空力性能により好成績を残しました。
日産： RMLが運営する日産は、デイビッド・レズリーとアンソニー・レイドに加え、ティフ・ニーデルが3台目のマシンで参戦。9勝を挙げ、チームとマニュファクチャラーズタイトルを獲得しましたが、ドライバーズタイトルはリデルに譲ることになりました。
フォード： ウェストサリー・レーシングが運営するフォードは、ウィル・ホイとクレイグ・ベアード、そして3戦限定でナイジェル・マンセルという豪華な布陣で臨みました。

シーズンを彩るドラマ

各レースでは、予想だにしない展開やドラマが数多く繰り広げられました。優勝候補が次々と脱落するサバイバルレースとなったレースや、各チームの戦略が光る手に汗握る展開など、観るものを魅了するシーズンとなりました。また、アルファロメオは参戦を検討していましたが、予算上の問題で断念するというニュースもありました。

成績

最終的なランキングでは、リカルド・リデルのドライバーズチャンピオン、日産のチームとマニュファクチャラーズチャンピオン、そしてトミー・ラスタットのオートスポーツカップ優勝という結果に終わりました。 各レースの結果、ポイントシステムの詳細については、当時の記録を参照ください。

まとめ

1998年BTCCは、ルール変更、チームとドライバーの入れ替わり、そして数々のドラマが凝縮された、記憶に残るシーズンとなりました。 リカルド・リデルの快挙、日産のチームタイトル獲得、そして各チームの奮闘は、多くのファンに感動と興奮を与えました。このシーズンは、イギリスツーリングカー選手権の歴史において重要な転換期となったと言えるでしょう。

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